金太郎
昔々、山の中に、まっ赤な顔をした元気な男の子が住んでいました。名前は「きんたろう」。大きなマサカリをかついで、いつも山をかけまわっていました。
きんたろうは、ふもとの村ではなく、山の中の小さな家で、お母さんとふたりきりで暮らしていました。お父さんはいません。けれど、きんたろうはさびしくなんてありません。だって、山にはたくさんの動物のともだちがいたのです。
「おーい、くまさん、今日は相撲だぞ!」
きんたろうがそう言うと、大きなクマが「よーし、まけないぞー!」とやってきて、どすん、ばたん、と山がゆれるほどの相撲をとりました。たぬ肝、さるも、しかも、みんなが応援して大にぎわい。
「きんたろう、つよいなあ!」
「クマにもまけないなんて、すごいや!」
きんたろうは、力だけでなく、心もやさしい男の子でした。川で子グマが流されそうになると、すぐに飛び込んで助けました。木に登れなくなった子ざるを、背中にのせててっぺんまで運んであげたりもしました。
ある日、山を通りかかったお侍さんが、きんたろうを見てびっくりしました。
「おお、なんと元気でたくましい子どもじゃ。こりゃ、ただものではないな……」
お侍さんは名を「源頼光(みなもとのらいこう)」と言い、強い家来をさがして旅をしていたのです。
「きんたろう、おぬし、京の都でわしの家来になってみぬか? もっともっと大きなことができるぞ。」
お母さんとよく話しあったきんたろうは、「ぼく、強くなって、世の中の人の役に立ちたいです!」と、決心して山を出ることにしました。
きんたろうは京の都で「坂田金時(さかたのきんとき)」という立派な名前をもらい、頼光さまの四天王のひとりとして、大活やくしました。鬼退治や怪物退治でも大かつやくし、人々に「金時さま、金時さま」とたたえられたそうです。
けれど、都に行ってからも、山のともだちのことを忘れたことはありません。ときどき山に帰っては、クマやサルとまた相撲をとり、木の上でお昼を食べたりしたのだとか。
元気でやさしい、山の子・きんたろう。その名は今でも、みんなの心にのこっています。
おしまい。
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- 金太郎(きんたろう)-日本
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