Onedollar Wanderer

「おおきなカメと小さなウサギ」(Velika kornjača i mali zec)-クロアチア

おおきなカメと小さなウサギはクロアチアの物語です。

昔々、青い湖のほとりに、おおきなカメとちいさなウサギがすんでいました。

カメは、どっしりとしたからだで、ゆっくりゆっくり歩きます。

ウサギは、ぴょんぴょんとはねて、いつも元気いっぱい。どこへでもすぐにとんでいきます。

ある日のこと。ウサギがカメに言いました。

「ねえカメさん、きみってどうしてそんなにのろいの? ぼくなんて、森のはしっこまであっという間だよ!」

カメはにっこり笑って、こう言いました。

「のろくたって、しっかり前を見て歩いていれば、ちゃんとゴールにたどりつけるのさ。」

「へー、それなら、どっちが早く森の丘まで行けるか、きょうそうしようよ!」

ウサギはそう言うと、足をふみならしました。

次の日の朝。森のみんなが見守るなか、カメとウサギのレースがはじまりました。

「よーい、どん!」の合図で、ウサギはびゅーんと走りだし、あっという間にカメをおいていきました。

「ふふん、カメなんて見えなくなっちゃった。ちょっと木の下でひとやすみしようかな。」

ウサギは木陰でゴロゴロして、いつのまにか、ぐっすりお昼寝してしまいました。

そのころカメは、ゆっくり、でもあきらめずに歩いていました。

大きな石があっても、ぬかるんだ道でも、カメは「一歩ずつ、一歩ずつ」と言いながら進んでいきました。

やがて丘のてっぺんに着いたのは、なんとカメでした!

「わぁ〜!カメさんが一番だ!」と、森の動物たちが拍手をしました。

そのとき、やっとウサギが目をさましました。

「えっ!? ぼくが一番じゃないの!?」

丘の上のカメを見て、ウサギはびっくりしました。

カメはにこにこして言いました。

「ウサギくん、スピードだけじゃなくて、あきらめない心が大事なんだよ。」

ウサギは少しはずかしそうにうなずいて、

「うん、きょうはカメさんの勝ちだね。でも、ぼくもがんばって、もう一回いっしょに走ってくれる?」

カメはゆっくりうなずきました。

それからというもの、カメとウサギはいつもいっしょに歩いたり走ったり。

おたがいを思いやる、なかよしのともだちになりました。

おしまい。