「イワンの誠実な心」(Ivan's honest heart)-ロシア
昔々、ロシアの広大な森の中に、イワンという名の若者が住んでいました。
イワンは貧しい家に生まれ育ちましたが、誰からも愛され、尊敬される人物でした。
なぜなら、彼は非常に誠実で、どんな時でも嘘をつかず、周りの人々を大切にしていたからです。
イワンの家は貧しく、食べるものも十分ではありませんでしたが、彼はいつも助け合いの精神を大切にしていました。
隣人が困っていれば、何も考えずに手を差し伸べ、病気の人がいれば看病をし、誰かが道に迷っていれば案内してあげました。
そのため、村の人々からは「誠実な心のイワン」と呼ばれ、誰もが彼を頼りにしていました。
ある日、王国から一通の命令が届きました。
王様が、国のすべての村から一人ずつ代表を選び、王国の難題を解決するために試練を与えると言うのです。
イワンも村を代表してその試練に参加することになりました。
試練の日、王宮に集まったのは、国中から選ばれた若者たちでした。
それぞれが自分の力を誇示しようと、威勢よく話し始めましたが、イワンは静かに立ち、他の者たちと異なり、自己主張をすることはありませんでした。
王様はその誠実な態度に興味を持ち、イワンを試すために一つの難題を出しました。
「イワンよ、お前には、この森の中にある三つの魔法の花を見つけて持ってこい。
だが、花を取るためには危険が伴う。
それでも、お前は誠実な心を持って挑むことができるか?
」
イワンはうなずき、試練を受けることを決心しました。
彼は森に入っていきましたが、すぐに彼の前に大きな問題が立ちはだかりました。
まず最初に現れたのは、邪悪な魔女でした。
魔女は「お前が花を取るなら、この道を通りなさい」と言いましたが、その道は恐ろしい怪物が住んでいる危険な道でした。
しかし、イワンはその魔女に誠実に答えました。
「私は誠実に生きてきた。
そのため、他の誰かの命を奪うようなことはしたくない。
どんな危険が待っていようとも、私が進むべき道を選ぶつもりだ。
」
魔女はその答えに驚き、イワンに微笑みながら、「それならば、誠実な者だけが通れる道を教えよう」と言って、別の道を示しました。
イワンはその道を選び、深い森を抜けていきました。
次に、イワンは美しい湖の前に立ちました。
湖の中には、輝く魔法の花が浮かんでいましたが、その湖には恐ろしい龍が住んでいると言われていました。
湖を渡るには、龍に向かって渡すべき物を持っている必要がありました。
イワンは湖の岸に立ち、心の中で考えました。
「私は自分の命を守るために贈り物を持っていない。
しかし、誠実な心であれば、龍にも通じるはずだ。
」
彼はそのまま湖を渡ることを決心しました。
龍が現れ、イワンに問いかけました。
「なぜお前は贈り物もなく、ここに来たのか?
」
イワンは龍に正直に答えました。
「私は贈り物を持っていませんが、誠実に生きてきました。
命を奪おうとする気はありません。
ただ、この花を取ることで王国を助けたいだけです。
」
龍はその誠実な心に心を動かされ、イワンに道を開いてくれました。
イワンは無事に花を手に入れることができました。
最後にイワンは、三つ目の花を手に入れるために険しい山を登りました。
その山には、天に通じるような高い岩が立ち並び、登ることすら困難でした。
しかし、イワンは決して諦めることなく、足元を確かめながら登り続けました。
山頂にたどり着いたとき、そこには一面に美しい金色の花が咲いていました。
イワンはその花を手に取り、試練を無事に終えることができました。
王宮に戻ったイワンは、三つの魔法の花を王様に差し出しました。
王様は驚きと感嘆の声を上げました。
「イワン、お前の誠実な心がこの試練を乗り越えさせたのだ。
お前こそが真の王にふさわしい。
」
イワンは謙虚に答えました。
「私はただ、誠実な心を持ち続けただけです。
これからも、誠実に生きていきます。
」
王様はイワンの心を称賛し、彼に王国の未来を託すことに決めました。
そして、イワンは誠実な心を持って、国を導いていったのです。
おしまい。
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