「カスパーと恐ろしい竜」 (Kaspar en de Vreselijke Draak) - オランダ
昔々、オランダの静かな村に、カスパーという勇敢で心優しい少年が住んでいました。
カスパーは村の外れの小さな家に住んでおり、毎日森で木の実を集めたり、村の人びとに手伝いをして過ごしていました。
村の人びとからはとても好かれ、誰もが彼の笑顔を大切にしていました。
しかし、ある日、村に恐ろしい知らせが届きました。
山の向こうに恐ろしい竜が現れ、近くの村を荒らしているというのです。
その竜は火を吹き、村を焼き尽くし、どんな武器でも倒すことができないほど強い存在でした。
村の人びとはとても怖がり、誰も竜を止めることができませんでした。
村の長老たちは、竜がもうすぐこの村にもやってくると恐れていました。
村の人びとは、家々を閉じ、できる限り安全な場所に隠れる準備を始めました。
その時、カスパーは決心しました。
「僕は逃げない。
この村を守るために、竜と戦うべきだ!
」と。
村の人びとは驚きました。
「カスパー、君はまだ子どもだよ!
竜はとても強いんだ。
君一人では勝てない!
」と心配して言いました。
けれどもカスパーは怖がらず、こう言いました。
「僕は強い心を持っている。
そして、僕は村のために何でもする覚悟があるんだ。
」
カスパーは村を出て、山を越えて竜が住んでいるとされる場所へ向かいました。
険しい山道を歩きながら、カスパーは心の中で勇気を奮い立たせました。
途中、数多くの困難が待ち受けていましたが、カスパーは決してあきらめませんでした。
やがて、カスパーは竜が住む洞窟に辿り着きました。
洞窟の前には、竜が寝ているような音が聞こえてきました。
カスパーは恐怖を感じましたが、深呼吸をして静かに近づきました。
彼は思いました、「怖くても、村を守るためにはこの竜を倒さなければならない。
」
カスパーは洞窟の中に入ると、巨大な竜が目を覚ましました。
竜は大きな目でカスパーをじっと見つめ、火を吹きました。
「人間の子どもよ、お前も私に来て、命を落とすつもりか?
」竜は低い声で言いました。
カスパーは恐れずに答えました。
「僕は村を守るために来たんだ。
もし君が村を焼くなら、僕は立ち向かうよ。
」
竜はしばらく黙ってカスパーを見つめ、そして笑いました。
「お前は勇気があるな。
しかし、私はただの竜ではない。
私は人びとの心の恐怖から生まれた存在だ。
もしお前が本当に立ち向かうつもりなら、心の中の恐怖を乗り越えなければならない。
」
カスパーは竜の言葉に少し戸惑いましたが、すぐに気づきました。
「怖くても、僕には守りたいものがある。
村の人びとのために、僕は恐れずに戦うんだ!
」
その瞬間、カスパーの心の中に不思議な力が湧いてきました。
彼は竜の目をしっかりと見つめ、声を張り上げました。
「竜よ、君がいくら強くても、僕の決意には勝てない!
村を傷つけさせない!
」
すると、竜は次第に小さくなり、力を失っていきました。
カスパーの勇気と決意が、竜の恐怖を打ち破ったのです。
竜はついに力尽き、静かに倒れました。
カスパーは竜を倒すと、村へ戻りました。
村の人びとは彼を英雄のように迎えました。
カスパーはただ微笑んで言いました。
「僕はただ、みんなを守りたかっただけです。
」
それからというもの、カスパーの勇気と優しさは村の人びとの間で語り継がれ、彼の名はいつまでも忘れられることはありませんでした。
おしまい。
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