「カメのマヌエリータ」(Manuelita la tortuga)-アルゼンチン
カメのマヌエリータはアルゼンチンの物語です。
昔々、アルゼンチンの小さな町、ぺイワホに、マヌエリータというカメが住んでいました。マヌエリータはとてもおしゃれが大好きで、やさしくて、ゆっくり歩くのが自慢でした。
ある日、マヌエリータは鏡を見て言いました。
「はぁ、私の甲羅、ちょっと古くなってきたかも。もっとピカピカにしたいわ。」
そこでマヌエリータは決心します。
「パリに行って、美容をして、もっときれいになって帰ってこよう!」
町のみんなはびっくりしました。
「パリ? 遠すぎるよ、マヌエリータ! あなたの足じゃ何年かかるか分からないよ!」
でもマヌエリータはにっこり笑って言いました。
「大丈夫。私は急がないの。夢があるから、ゆっくりでいいのよ。」
こうしてマヌエリータは、トコトコと旅に出ました。森を抜けて、川を渡り、汽車にも乗って、とうとう大きな船で海を渡りました。
そして…ついにパリに到着!
パリではカメのためのサロンがありました。そこで甲羅をぴかぴかに磨いてもらって、リボンもつけてもらって、マヌエリータはすっかり新しい自分になりました。
でも…
「やっぱりぺイワホが恋しいわ。お花畑や、お友だちや、あの小さな池…」
マヌエリータはまた、トコトコ歩きだしました。帰り道ももちろん長くて大変。でも、思い出が胸にあるから、足取りは軽やかでした。
そして数年後、ぺイワホに戻ってきたマヌエリータ。町の人たちはびっくり!
「わあ!マヌエリータ、なんてきれいになったの!パリで素敵になったんだね!」
マヌエリータはにっこり笑って言いました。
「うん、でも一番大事なのは、みんなに会えたことよ。」
それからというもの、マヌエリータは町の人気者。子どもたちに夢をあきらめないことの大切さを教えてくれる、やさしいカメとして、みんなに愛され続けました。
おしまい。
シェア