「キツネとサルの約束」 (The Fox and the Monkey's Promise)- 西アフリカ
昔々、西アフリカの広大な森に、賢いキツネと陽気なサルが住んでいました。
キツネは素早くて賢く、サルはどんな時でも笑顔を忘れない、楽しい動物でした。
二匹はとても仲良しで、よく一緒に遊んだり、森の中を探検したりしていました。
ある日、二匹は森の奥深くにある、神秘的な木の下で休んでいました。
木の実を食べながら、サルが言いました。
「キツネさん、もし私があなたに頼んだことを守ったら、あなたはどうする?
」
キツネは目を細め、考え込みました。
「頼み事を守る?
それはもちろん、私ができることなら喜んでやるよ。
でも、サルさんが何を頼んでも、きっと面白いことになるだろうね。
」
サルはにっこりと笑いました。
「実は、私はちょっと面白いことを思いついたんだ。
お互いに約束をして、どちらがもっと素早く動けるか競争しようじゃないか?
」
キツネはその提案に興奮しました。
「いいね!
私が勝つ自信があるよ!
でも、約束は守らなくてはならないよ。
さあ、決めた!
」
サルはしばらく考えてから、にっこりと答えました。
「約束だよ。
でも、ひとつ条件がある。
もし私が勝ったら、あなたは私に美味しい果物を持ってきてくれるんだよ。
」
キツネはしばらく悩んだ後、うなずきました。
「それは分かった。
君が勝ったら果物を持ってくる。
では、始めようか!
」
競争が始まりました。
キツネは得意の速さで一気に走り出しました。
サルもすぐに木を使って跳び跳ねながら、キツネの後を追いました。
最初はキツネがリードしていましたが、サルは木の枝を使いながら巧妙に進み、しだいにキツネに追いつきました。
キツネは少し焦り始め、急いで走りました。
しかし、サルは木の上を跳ねて、次々に枝を飛び移りながら進み、キツネを抜き去ってしまいました。
ついにはサルが先にゴールに到達しました。
「やった!
私が勝った!
」サルは元気よく叫びました。
キツネは息を切らしながら、サルの前に立ちました。
「君がこんなに速いとは思わなかったよ。
でも、約束は約束だ。
果物を持ってくるよ。
」
サルはにっこりと笑いました。
「ありがとう、キツネさん。
でも、実はこの競争にはちょっとした意味があったんだ。
」
キツネは首をかしげました。
「意味があった?
どういうことだ?
」
サルは木陰に座りながら、説明を始めました。
「私は、速さだけが全てではないということを伝えたかったんだ。
君は確かに速いけれど、私のように木を使って進む方法を考えることで、もっと楽に進めることもあるんだ。
」
キツネはその言葉に納得し、微笑みました。
「そうか、君の言う通りだ。
速さだけではなく、知恵を使うことも大切なんだな。
」
サルはさらに続けました。
「だから、君が約束を守って果物を持ってきてくれるのは嬉しいけれど、実は本当に大事なのは、この競争を通して、お互いに学んだことだと思うんだ。
」
キツネは深く頷きました。
「君が言うことは本当に素晴らしい。
競争を通して、互いに何かを学ぶことができたんだな。
ありがとう、サルさん。
」
そして、キツネは約束通り、サルの好きな美味しい果物を持ってきました。
二匹はその後も友達として仲良く過ごし、競争の後もお互いに尊敬し合うようになりました。
おしまい。
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