Onedollar Wanderer

「バウリーと水の精霊」(Boori and the Water Spirits)-オーストラリア

他言語版

バウリーと水の精霊はオーストラリアの物語です。

昔々、オーストラリアの広い大地に、バウリーという少年がいました。

バウリーは村のために水をくむ役目を持っていました。

でも、村の川はずっとかれていて、水を見つけるのがとても大変でした。

ある日、バウリーは大地を歩き回りながら、乾いた川の跡をたどりました。

「どこかに水があるはずだ」と信じて、太陽の下を歩き続けました。

すると、大きな岩のそばに小さな泉を見つけました。

「やった!

これで村のみんなに水を持ち帰れる!

バウリーがひしゃくですくおうとしたそのとき、泉の水がくるくると渦を巻き、青く光り始めました。

すると、泉の中から水の精霊が現れました。

「お前は誰だ?

ここはわれら精霊の泉。

勝手に水を持って行ってはならぬ」

バウリーは驚きましたが、勇気を出して言いました。

「ぼくの村はずっと水がなくて困っています。

この水を分けてもらえませんか?

精霊はしばらく考えました。

そして言いました。

「水は命の源。

簡単に分けることはできぬ。

ただし、お前がわれらの試練に挑み、それを乗り越えたなら、水をやろう」

バウリーはうなずきました。

「どんな試練でもやってみます!

すると、精霊はバウリーを水の底へと引きずり込みました。

バウリーはふわりと水の中をただよい、気がつくと美しい青い世界にいました。

そこには光る魚や水草がゆれていて、不思議な空間が広がっていました。

「さあ、試練のはじまりだ」

精霊は三つの試練を出しました。

最初の試練は「水の石」を見つけることでした。

バウリーは水の中をさまよい、ようやく小さく光る青い石を見つけました。

次の試練は、「水の歌」をうたうことでした。

バウリーは村の長老が教えてくれた古い歌を思い出し、心をこめて歌いました。

その声が響くと、水の精霊たちは喜び、水が優しく波立ちました。

最後の試練は、精霊に「水を大切にする心」があるかどうか試されるものでした。

精霊は美しい銀の杯に水を入れ、「これはとても貴重な水だ。

この水を大事に運べるか?

」とたずねました。

バウリーは杯を両手で大切に持ちました。

しかし、帰る途中で小さな鳥がのどをからしているのを見つけました。

バウリーは少し迷いましたが、杯の水を少し鳥に分けてあげました。

精霊はそれをじっと見ていました。

そして、にっこり笑いました。

「お前は水の大切さを知り、その恵みを分け合う心を持っている。

お前の村に、水を分けてやろう」

すると、水がこんこんと湧き出し、小さな泉が川となって流れ出しました。

バウリーは急いで村へ帰り、みんなに知らせました。

こうして村は再び水を手に入れ、人々は喜びました。

そして、バウリーは「水を大切にする心」を村のみんなに語り続けたのです。

おしまい。