「ルビーの涙」(ruby tears)- イギリス
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昔々、イギリスのある王国に、美しい王女エリザがいました。
エリザは心優しく、誰にでも親切でしたが、ある秘密を抱えていました。
彼女は涙を流すと、その涙がルビーに変わるのです。
王国の人々は誰もその秘密を知りませんでした。
エリザは、王様と王妃から「悲しんではいけません」と言われ、いつも笑顔でいるようにしていました。
しかし、時々一人きりになると、涙をこぼし、美しいルビーが床に転がるのでした。
ある日、隣国の邪悪な公爵がその秘密を知りました。
「王女の涙がルビーになる?
それは素晴らしい!
もし王女を捕まえれば、私は金持ちになれる!
」
公爵はすぐに王様のもとへ行き、「エリザ王女を私に嫁がせれば、国に莫大な財産を贈りましょう」と言いました。
しかし、王様も王妃も、エリザの気持ちを考え、「王女が望まない結婚はさせられません」と断りました。
公爵は怒り、兵士を使って王女をさらってしまいました。
エリザは暗い塔に閉じ込められ、悲しくて涙を流しました。
床には次々とルビーが落ちていきました。
公爵は喜び、ルビーを集めては財産を増やしました。
「もっと泣け!
そうすればもっとルビーが手に入る!
」と命じました。
しかし、エリザは泣けば泣くほど、心が苦しくなりました。
そんな時、城の馬番である青年トーマスが王女を助けようと決意しました。
彼は王女を救うため、塔に忍び込みました。
「王女様、今すぐここからお逃げください!
」
エリザは驚きましたが、トーマスの勇気を信じ、彼と一緒に塔を抜け出しました。
公爵の兵士たちが気づいて追いかけてきましたが、トーマスは知恵を働かせ、森の中の秘密の道を通って王宮へと戻りました。
王様と王妃は王女が無事に帰ってきたことを喜び、公爵を捕らえて罰しました。
エリザは初めて心からの涙を流しましたが、それはもはやルビーにはなりませんでした。
「もう涙を無駄にすることはないわ」と王女は笑いました。
やがてエリザはトーマスと結ばれ、二人は幸せに暮らしました。
おしまい。
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