「ロバの皮」(Peau d’âne)-フランス
昔々、ある王国に美しい王女が住んでいました。
王女の父親である王は、王女がとても美しく成長したことを喜び、毎日彼女に贈り物をしました。
ところが、王は次第に王女を手に入れたいと思い、どうしても彼女を自分の妻にしようと考えるようになりました。
しかし、王女はとても悲しみました。
王の提案を受け入れることができなかったのです。
どうしても父親との結婚は受け入れられないという王女の心情に、王は怒り狂い、彼女を城に閉じ込めてしまいました。
王女はどうしようもなく、城の中で悲しみに暮れました。
王女は、もはや父親の命令に従うことはできないと決意し、城から逃げることを決めました。
しかし、逃げるには誰にも見つからないようにしなければなりません。
そこで、王女は奇妙な方法を思いつきました。
彼女は一番大切なものを持って逃げることにしました。
それは、父親が自分のために作った金色の皮のロバの皮です。
そのロバの皮は、非常に珍しいもので、身につけると誰にも見つからないように変装することができました。
王女はその皮を着て、家族や国民から隠れ、遠くの村へと向かいました。
途中、彼女は何度も危険な目に遭いながらも、決して諦めませんでした。
やがて、小さな村にたどり着き、そこに住む農夫の家に身を寄せることになりました。
農夫は優しく、王女を温かく迎えてくれました。
王女はしばらく農夫の家で働きながら、心の中で思いました。
「いつか、この困難を乗り越えて、もう一度自由な人生を取り戻すことができるだろう」と。
数年が過ぎ、王女はすっかり村の一員として暮らしていました。
ある日、近くの王子がその村に訪れました。
王子は村の人々とともに、毎年行われる大きな祭りに参加するためにやってきたのです。
祭りの最中、王子は不思議な女性を見かけました。
彼女はロバの皮をかぶり、他の人々と一緒に踊っていました。
王子はその女性に強く引き寄せられ、心の中で「この女性こそ、私がずっと探し求めていた人だ」と感じました。
祭りが終わると、王子は王女に話しかける機会を得ました。
王女は最初、恐れて答えませんでしたが、王子の優しさと誠実さに心を開きました。
王子は王女に言いました。
「あなたの姿に心を打たれました。
どうか、私と共に未来を歩んでくれませんか?」 王女は王子の誠意を感じ、ついに自分の過去を話す決心をしました。
自分が王女であり、父親から逃げてきたことを告白したのです。
王子は驚きましたが、王女を愛する気持ちに変わりはありませんでした。
王子は王女に約束しました。
「これからは誰にもあなたを傷つけさせない。
あなたと共に、幸せな未来を築きます。
」 そして、王子と王女は再び城へ戻り、王女は正当な王位を取り戻しました。
王の心も変わり、王女と王子の結婚を祝福し、王国は平和と繁栄に包まれました。
王女はもう二度と不安や恐れに悩まされることはありませんでした。
ロバの皮も、もはや必要なくなり、彼女は自由に幸せな生活を送ることができました。
おしまい。
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