「七つの魔法の果物」(Sedam čarobnih plodova)-クロアチア
昔々、クロアチアの小さな村に、イヴァという心の優しい少年が住んでいました。イヴァは森の近くの畑でおばあさんと一緒に暮らしていて、毎日一生けんめい畑を手伝っていました。
ある年、村にひどい干ばつがやってきました。畑の作物は枯れてしまい、人々は困り果てていました。そんなある日、イヴァは森の奥で見知らぬおじいさんに出会います。白く長いひげをたくわえたそのおじいさんは、静かに言いました。
「心のきれいな者にだけ、この果物を託そう。」
そう言って、おじいさんはイヴァに小さな袋を渡しました。袋の中には、色とりどりの七つの果物が入っていました。
「これは七つの魔法の果物。一つ食べるごとに、村に一つの恵みが戻るじゃろう。ただし、欲張ってはいけないよ。」
イヴァは驚きながらも、丁寧にお礼を言って村へ戻りました。そして、村人たちを集めて一つ目の果物を割ると、不思議なことに雨が降り始め、枯れた畑がよみがえりました。
二つ目の果物からは、小麦があふれ出し、三つ目からは美味しい水が湧き出ました。
村人たちは大よろこび。でも、中には「もっと果物を使って金銀財宝を出してほしい」と言い出す者もいました。
イヴァは悩みましたが、おばあさんの言葉を思い出しました。
「与えられた恵みを感謝して受け取ることが大切よ。」
その言葉に背中を押され、イヴァは残りの果物を村のために使いました。四つ目で病気が治り、五つ目で森に動物たちが戻り、六つ目で風車が動き始め、七つ目では村に音楽があふれ、みんなが踊り出しました。
すると空から光が差し、おじいさんの声が聞こえました。
「よくぞ欲に負けず、村のために使ってくれた。これからも心を忘れずに生きるのじゃ。」
それ以来、村はいつも穏やかで、イヴァはみんなに慕われる立派な青年になりました。
そして今も、村では毎年「魔法の果物祭り」が開かれ、みんなが感謝の心を忘れずに暮らしているそうです。
おしまい。
シェア