Onedollar Wanderer

「三匹のヤギとオオカミ」(Tri keçet dhe ujku)-アルバニア

三匹のヤギとオオカミはアルバニアの物語です。

昔々、アルバニアの美しい山のふもとに、三匹のヤギが住んでいました。彼らはそれぞれ、年齢も大きさも異なりましたが、いつも仲良く一緒に暮らしていました。

一番小さいヤギの名前はティピ、中くらいのヤギはミリ、そして一番大きなヤギはヴェルダという名前でした。三匹は毎日、山の草を食べながら元気に過ごしていました。

ところが、山には恐ろしいオオカミが住んでおり、ヤギたちを食べようと狙っていたのです。ある日、オオカミはとうとうヤギたちを捕まえようと決心しました。

オオカミは、三匹のヤギが渡る橋の下に潜んで待ち構えました。その橋は、川を越える唯一の道でした。

最初に渡ろうとしたのは、最も小さなヤギのティピです。ティピは橋の上を小さな足音で歩いていたのですが、突然、オオカミが大きな声で叫びました。

「おい、ヤギ! お前を食べてやるぞ!」

ティピはとても怖くなり、すぐに言いました。

「待ってください、オオカミさん! 私は小さくて、まだ食べるには少し物足りないかもしれません。もっと大きなヤギがいますよ! あのミリを食べてください!」

オオカミは少し考えましたが、ティピの言葉に納得し、「よし、行け!」と言って、ティピを見逃しました。

次に、橋を渡ろうとしたのは中くらいのヤギ、ミリでした。ミリが橋を渡り始めると、またもオオカミの声が響きました。

「おい、ミリ! お前も食べてやるぞ!」

ミリはすぐに答えました。

「待ってください、オオカミさん! 私はまだ少し小さいので、もっとおいしいヤギがいますよ! ヴェルダという大きなヤギがいます。彼を食べてください!」

オオカミはミリの言葉を信じ、またもやミリを見逃しました。

最後に、最も大きなヤギ、ヴェルダが橋を渡ろうとしました。オオカミは、これで最後だと思い、待ち構えていました。ヴェルダが橋に足を踏み入れると、オオカミは恐ろしい声で叫びました。

「ヴェルダ! お前を食べてやるぞ!」

しかし、ヴェルダは怖がりませんでした。彼は大きな角を持っていて、体も非常に力強かったからです。ヴェルダは冷静に答えました。

「お前なんかに食べられるわけがない。さあ、来い!」

オオカミは驚き、ヴェルダに向かって飛びかかろうとしましたが、ヴェルダは素早くその力強い角でオオカミを突き飛ばしました。オオカミは驚いて、橋から川へ落ちてしまいました。

オオカミは二度と姿を現すことはありませんでした。それ以来、三匹のヤギは無事に過ごし、また仲良く山の草を食べながら楽しく暮らしました。

そして、村の人々はその勇気を讃え、ヤギたちの冒険の話を何度も語り継ぎました。ヴェルダの力、ミリの知恵、そしてティピの機転があったからこそ、みんなが無事でいられたのです。

おしまい。