「十二羽の鳩」(The Twelve Doves)-トルコ
昔々、トルコの美しい山間の村に、アミナという優しい少女が住んでいました。
アミナには一つ、大切な夢がありました。
それは、村の大きな庭に住む鳩たちと友達になることでした。
村の人びとはその鳩たちを「十二羽の鳩」と呼び、誰も近づくことができませんでした。
なぜなら、鳩たちはとても神聖な存在だと信じられていたからです。
ある日、アミナは決心しました。
「私は鳩たちと友達になる。
」彼女は心を決め、毎日庭に通って鳩たちに語りかけました。
「こんにちは、鳩さんたち。
私はアミナ。
友達になりたいのです。
」
しかし、鳩たちはいつもアミナを遠くから見守るだけで、決して近づいてくれませんでした。
アミナは少し悲しくなりましたが、それでも諦めず、毎日鳩たちに優しく話しかけました。
ある晩、月明かりの下で、アミナは再び庭にやって来ました。
すると、突然、空から一羽の白い鳩が降りてきて、彼女の肩にとまりました。
アミナは驚きましたが、優しく鳩に話しかけました。
「あなたは私の友達になってくれるの?
」
鳩は静かに羽ばたきながら言いました。
「アミナ、あなたの心は純粋で優しい。
だから、私はあなたを試してみようと思ったのです。
」
アミナはさらに驚きました。
「試す?
どういう意味ですか?
」
鳩は微笑んで言いました。
「私は十二羽の鳩の一羽です。
私たちは長い間、人間と会うことを避けてきました。
でも、あなたが心から鳩たちと友達になりたいと思っていることを感じ取ったので、私はあなたに試練を与えます。
この試練をクリアできれば、私たちはあなたの友達になり、あなたの願いをかなえるでしょう。
」
アミナは決意を新たにしました。
「どんな試練でも受けます!
」
鳩はその羽を広げて、夜空に光を放ちました。
「第一の試練は、『無償の愛』です。
あなたが心から他者を思いやることができるかどうかを見ます。
」
アミナは少し考えました。
そして、近くに住むおばあさんが重い荷物を運んでいるのを見つけました。
アミナはすぐに駆け寄り、手を貸しました。
「おばあさん、荷物を持ちましょう。
」
おばあさんはとても感謝しました。
「ありがとう、アミナ。
あなたは本当に優しい子だね。
」
その瞬間、鳩はアミナの肩から飛び立ち、空に舞い上がりました。
「第一の試練はクリアです。
」
次に鳩は言いました。
「第二の試練は、『忍耐』です。
どんな困難にも耐える力があるかどうかを見ます。
」
そのとき、アミナは大きな嵐に見舞われました。
強い風が吹き、雨が降りしきりました。
しかし、アミナは決して焦らず、しっかりと地面に足を踏みしめて耐えました。
「どんなに雨が降っても、私は諦めません。
」と心の中で誓いました。
鳩は再びアミナの元に戻り、言いました。
「第二の試練もクリアです。
」
最後に鳩は言いました。
「第三の試練は、『信念』です。
あなたの夢を信じ続けることができるかを見ます。
」
その試練の時、アミナはもう一度、鳩たちに話しかけました。
「私はあなたたちと友達になりたいと心から願っています。
どんなに時間がかかっても、私は諦めません。
」
その瞬間、空に輝く光の中から、十二羽の鳩が一斉に飛び立ち、アミナの周りに集まりました。
彼女は目を見開き、感動で胸がいっぱいになりました。
鳩たちは羽ばたきながら、優しくアミナに言いました。
「アミナ、あなたの心の純粋さと信念を見せてくれたおかげで、私たちはあなたと友達になることを決めました。
」
アミナは嬉し涙を流しました。
鳩たちはその後、アミナの家の庭に住み着き、毎日彼女とともに過ごしました。
そして、アミナは村の人びとにも鳩たちとの友情を伝え、村はより一層温かい場所になりました。
おしまい。
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