「天使の羽」(angel wings)- ドイツ
他言語版
昔々、ドイツの小さな村に、エミリアという心優しい少女が住んでいました。
エミリアは両親を早くに亡くし、村の人びとの手伝いをしながら暮らしていました。
どんなにつらいことがあっても、彼女はいつも笑顔を忘れず、人にも動物にも親切にしていました。
ある冬の朝、エミリアは森へ薪を拾いに行きました。
雪が降り積もり、あたりは白く輝いていました。
すると、雪の中にうずくまる小さな男の子を見つけました。
「大丈夫?
」エミリアは男の子に駆け寄り、そっと手を差し伸べました。
男の子は震えながら「寒いんだ…」とつぶやきました。
エミリアは自分のマントを脱いで、男の子にかけました。
「さあ、私の家に行きましょう。
温かいスープを飲めば元気になるわ。
」
男の子は弱々しくうなずきました。
エミリアは男の子の手を取り、雪道を歩きました。
村に戻ると、エミリアは自分のベッドを男の子に譲り、温かいスープを作りました。
男の子はスープを飲みながら、「こんなに親切にしてもらったのは初めてだよ」と小さな声で言いました。
夜が明けると、男の子の姿は消えていました。
エミリアは驚きましたが、テーブルの上に美しい白い羽が一枚置かれているのを見つけました。
その羽は朝日に照らされて、きらきらと輝いていました。
「こんな羽、見たことがない…」エミリアはそっと羽を手に取りました。
その瞬間、不思議なことが起こりました。
羽が光り輝き、エミリアの体がふわりと宙に浮いたのです。
「わあ!
」エミリアは驚きましたが、体が軽くなり、自由に空を飛べるようになっていました。
その日から、エミリアは天使のように村の人びとを助けるようになりました。
年老いた人の荷物を運んだり、病気の人の看病をしたり、迷子の動物を探したり。
エミリアが空を飛んで現れるたびに、村の人びとは「まるで本物の天使みたいだ」と驚きました。
ある日、村に大きな嵐がやってきました。
強い風が木を倒し、川があふれそうになっていました。
エミリアは急いで空に飛び上がり、助けを求める人びとのもとへ向かいました。
「大丈夫です、すぐに助けます!
」
エミリアは危険な場所に取り残された人を見つけ、次々と安全な場所へ運びました。
嵐が過ぎ去るころには、誰一人として怪我をすることなく、村は守られていました。
すると、空からやさしい声が聞こえてきました。
「エミリア、おまえの優しさと勇気は本物だね。
」
エミリアが空を見上げると、まばゆい光の中に、美しい天使が立っていました。
その顔はどこか見覚えがありました。
「あなたは…あの時の男の子?
」
天使は微笑み、「そうだよ。
私は試されていたんだ。
おまえの優しさが本物かどうか。
でももうわかったよ。
これからも人びとを助け、愛を広めてほしい。
」そう言うと、天使はエミリアにもう一枚の羽を渡しました。
「これはおまえの心の羽だ。
どんなときも優しさと勇気を忘れないように。
」
エミリアは羽を胸に抱きしめました。
その日から、彼女はますます村のみんなを助け、幸せを届けました。
やがて村の人びとは、エミリアのことを「天使の羽を持つ少女」と呼ぶようになりました。
そして、彼女の優しさと勇気の物語は、いつまでも語り継がれました。
おしまい。
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