「月の鳥」 (Månens Fåglar) - デンマーク
昔々、デンマークの小さな村に、アストリッドという優しい少女が住んでいました。
アストリッドは夜になると、いつも空を見上げて月を眺めるのが好きでした。
彼女には、月の光がどこから来るのか、月の上に何があるのか、ずっと不思議に思っていました。
ある晩、アストリッドはいつものように月を見上げていると、突然、空に不思議な光が現れました。
光が近づいてくると、それは一羽の美しい鳥でした。
その鳥は、羽根が銀色に輝き、まるで月の光そのもののようでした。
鳥は空を舞いながら、アストリッドの前に降りてきました。
「こんにちは、アストリッド。
」鳥は優しい声で話しかけました。
「私は月の鳥。
月の光を運ぶ者です。
あなたのような心優しい人が、月に興味を持ってくれることを嬉しく思います。
」
アストリッドは驚きながらも、鳥に話しかけました。
「あなたは月の鳥?
月から来たのですか?
」
「はい、私は月の国から来たのです。
」鳥は答えました。
「月には、空の光と夜の静けさを守る役目を持った鳥たちが住んでいます。
私たちは月の光をこの世界に届ける仕事をしているのです。
」
アストリッドは目を輝かせました。
「それはすごい!
でも、どうして私に会いに来たのですか?
」
月の鳥は少し考えた後、優しく答えました。
「実は、あなたには特別な力があります。
あなたの心の中には、月の光を呼び寄せる力が宿っているのです。
だから、あなたに月の鳥としての役目をお願いしたいと思って来ました。
」
アストリッドは驚きましたが、同時に嬉しくも感じました。
「私が月の光を呼ぶことができるんですか?
それなら、村のみんなにも光を届けたいです!
」
「その通りです。
」月の鳥は頷きました。
「あなたが心から他の人びとを思いやる時、その光は村のすべての人びとに届き、夜の暗闇を照らすことができるのです。
」
アストリッドは胸が温かくなるのを感じました。
「わかりました!
私はみんなに光を届けます!
」
その夜から、アストリッドは毎晩、月の鳥と共に空を飛び、月の光を村に届ける役目を果たしました。
アストリッドが心から願うと、月の光は村の家々を照らし、村人たちはその温かい光に包まれ、幸せな気持ちになりました。
村は夜でも明るく、静かな平和が広がっていきました。
アストリッドは月の鳥と共に、月の光を運ぶ仕事を続けました。
月の光が村を照らすたびに、アストリッドは自分の心が温かくなり、他の人びとを幸せにしたいという思いがさらに強くなりました。
月の鳥もアストリッドの優しさに感謝し、何度も彼女に微笑みかけました。
ある夜、月の鳥がアストリッドに言いました。
「あなたは本当に素晴らしい心を持っている。
月の光をただ運ぶだけでなく、あなた自身が光そのものであることを示してくれた。
」
アストリッドは照れくさそうに笑いました。
「でも、私はただ村の人びとを思ってやっているだけです。
」
月の鳥は羽ばたきながら、静かに言いました。
「それこそが、最も大切なことなのです。
あなたのような心を持つ人がいる限り、月の光は永遠に輝き続けるでしょう。
」
それ以来、アストリッドは月の鳥と共に、毎晩村に月の光を届け、村人たちはその光に包まれて幸せに暮らしました。
アストリッドの優しさと月の光は、村に明るい未来をもたらし、村人たちの心に永遠に残り続けました。
おしまい。
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