「母の愛」 (The Mother's Love) - ロシア
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昔々、ロシアの広大な森の中に、小さな村がありました。
その村に、マリーナという優しい母親が住んでいました。
マリーナには、愛しい一人息子、イワンがいました。
イワンは元気で、好奇心旺盛な男の子で、村じゅうの子供たちと一緒に森で遊んだり、川で泳いだりして過ごしていました。
ある冬の日、村に大雪が降り積もり、寒さが厳しくなりました。
村人たちは、雪に閉ざされて家から出ることができなくなり、食料も少なくなってきました。
マリーナは、イワンと一緒に暖炉の前で過ごしながら、「この冬もきっと乗り越えられるわ」と励まし合っていました。
しかし、次第に食料が底をつき、イワンはお腹を空かせて、毎日マリーナに「お母さん、お腹がすいたよ」と言うようになりました。
マリーナは、心配そうにイワンを見つめましたが、自分の食べる分を少しずつ減らして、息子に食べさせました。
ある日、イワンが「お母さん、もう我慢できないよ。
お腹がすいて辛いよ」と泣きながら言うと、マリーナはその言葉を胸に深く刻みました。
「イワン、少し待っていてね。
お母さんが食べ物を探してくるわ」と言い、外に出る決心をしました。
雪の中を歩きながら、マリーナは必死に森を進みました。
彼女は思いました。
「イワンに食べ物を持って帰らなければならない。
彼が元気で笑顔を見せてくれるなら、どんな苦しみも耐えられる。
」マリーナは雪深い森を歩き、ついに小さな湖のほとりに辿り着きました。
その湖には、魚がいっぱいいると聞いていたのです。
彼女は氷の上を慎重に歩き、釣り糸を垂らしました。
長い間、手を凍らせながらも、ついに一匹の大きな魚を釣り上げました。
マリーナはその魚を手に持ちながら、イワンの顔を思い浮かべました。
「これで、イワンに食べさせることができる」と、涙が頬を伝いました。
雪道を引き返す途中、マリーナは倒れそうになりましたが、イワンのことを思い、必死に歩き続けました。
家に戻ると、イワンはまだお腹を空かせたままで待っていました。
マリーナはそのまま、魚を煮て、イワンに食べさせました。
イワンは温かい食事を一口食べると、涙を浮かべながら言いました。
「お母さん、ありがとう。
こんなにおいしいご飯を作ってくれて、本当にありがとう。
」
マリーナは微笑んで言いました。
「お母さんは、あなたのためなら何でもするわ。
どんな辛い時でも、あなたを守り、愛し続ける。
それが母の愛というものよ。
」
その後、春が訪れ、雪が溶けて村の人々は再び豊かな生活を取り戻しました。
イワンは元気に育ち、マリーナの愛情を胸に、村を助ける立派な青年になりました。
マリーナの無償の愛は、イワンにとって何よりの宝物となり、どんな困難にも立ち向かう力を与えてくれました。
そして、村の人々は、母親の愛こそが最も力強いものであることを、心から理解しました。
おしまい。
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