「水の王の娘」(The Water King's Daughter) - ロシア
昔々、ロシアの広い森と川のほとりに、イワンという若者が住んでいました。
イワンは勇敢で優しく、森で動物たちを助けたり、村の人々を手伝ったりして暮らしていました。
ある日、イワンが川で釣りをしていると、突然、水の中から美しい娘が現れました。
彼女の髪は波のように青く、瞳は湖のように澄んでいました。
「私は水の王の娘。
あなたの親切な心を知って、お礼を言いに来ました。
」
「お礼だって?」イワンは驚きました。
「ええ。
あなたは傷ついた白鳥を助けましたね?あれは、私の父の使いだったのです。
」
そう言うと、水の王の娘は輝く貝殻の首飾りをイワンに渡しました。
「これを持っていれば、困ったときに私を呼ぶことができます。
」
イワンはお礼を言い、首飾りを大切にしまいました。
それからしばらくして、イワンの村に王の使者がやってきました。
「王様が、国中の若者たちに試練を与える。
成功すれば、王女と結婚できる!」
イワンは試練に挑戦することにしました。
しかし、それはとても難しいものでした。
王様は言いました。
「消えた黄金のりんごを見つけてまいれ!」
このりんごは、王様の庭にあったもので、ある夜、謎の魔法の手によって消えてしまったのです。
イワンは森や山を探しましたが、見つかりません。
そこで、首飾りを取り出し、そっとつぶやきました。
「水の王の娘よ、助けてくれ!」
すると、川がざわめき、水の王の娘が現れました。
「イワン、黄金のりんごは、深い湖の底に隠されています。
でも、魔法の魚に守られていますよ。
」
娘はイワンに銀の網を渡しました。
「これを使えば、魔法の魚を捕まえられます。
」
イワンは湖へ行き、銀の網を投げました。
すると、大きな金色の魚がかかりました。
「どうか助けてください!」魚は話しました。
「では、黄金のりんごを返してくれるか?」
魚はうなずき、湖の奥から黄金のりんごをくわえて持ってきました。
イワンは黄金のりんごを王様に届け、王様は大喜びしました。
「見事だ!おまえこそ、王女のふさわしい夫じゃ!」
しかし、イワンは静かに言いました。
「王女さまは美しいですが、私の心にはもう別の人がいます。
」
王様は驚きました。
「それは誰だ?」
すると、川の水がきらめき、水の王の娘が現れました。
「私です。
」
王様は娘の美しさと優しさに感動し、二人の結婚を認めました。
イワンと水の王の娘は川と森の間の美しい城で幸せに暮らし、それ以来、川の水はいつも澄んで、美しい音を奏でていたと言われています。
おしまい。
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