「猿と王子」(The Monkey and the Prince)-チベット
昔々、チベットの山のふもとに、美しい王国がありました。
この王国には、優しく賢い王子が住んでいました。
王子の名前はラモン。
ラモン王子は、王国のために毎日一生懸命に学び、民を守るために尽力していました。
ある日、王子は王宮の庭で散歩をしていると、ふと空を飛ぶ鳥たちを見かけました。
鳥たちは自由に空を舞い、風を感じながら楽しそうに飛んでいました。
それを見た王子は心の中で思いました。
「どうして私もあんな風に自由に空を飛べないのだろう?
」
その時、王宮の庭に突然現れたのは、ひとりの猿でした。
この猿は、王子に話しかけてきました。
「王子よ、どうしたのですか?
そんなに空を見上げて、何かを思い悩んでいるようですね。
」
王子はその猿に答えました。
「私は鳥たちのように自由に空を飛んでみたいのです。
けれども、私は王子としての責任があり、そんなことはできません。
」
猿はにっこりと笑い、「それなら、私が教えてあげましょう。
空を飛ぶ方法を知っているのは、私です。
」と言いました。
王子は驚きました。
「あなたが空を飛ぶ方法を知っているのですか?
」
猿はうなずきました。
「はい、私は山々を越えて、色々な場所を見てきました。
飛ぶ方法を学んだのは、私が旅をしている時、ある賢者から教わったのです。
」
王子は興味津々で猿に尋ねました。
「その方法を教えてくれませんか?
」
猿は少し考えた後、答えました。
「しかし、王子よ、飛ぶ方法は決して簡単なものではありません。
それには、自由な心と、真の勇気が必要です。
あなたがそれを持っているかどうか、試してみましょう。
」
王子は決意を固めて言いました。
「どんな試練でも受けます。
教えてください。
」
猿は満足げにうなずき、王子を山の奥深くに案内しました。
そこで猿は、王子に山の頂上にある大きな木の木の上に登るように言いました。
王子は驚きました。
「こんな高い木の上に登るなんて、恐ろしいではありませんか!
」
猿は優しく言いました。
「恐れることはありません。
もし心を落ち着け、冷静に考えるなら、あなたは恐れずに登ることができます。
」
王子はその言葉を信じ、木の幹をつかんで登り始めました。
足元が不安定でしたが、猿の言葉を思い出し、ひとつひとつの手をしっかりと動かしました。
やがて王子は木のてっぺんにたどり着きました。
「よくやった、王子。
」猿が上から見下ろして言いました。
「今度は、私と一緒に空を飛ぶ練習をします。
」
王子は猿に従って、木の上からジャンプしました。
しかし、猿はすぐに木の枝にしがみついて飛ぶことができましたが、王子は空を飛ぶことはできませんでした。
王子は地面に落ちてしまい、転んでしまいました。
「私はどうしても飛ぶことができません。
」王子は涙を浮かべて言いました。
猿は王子に歩み寄り、言いました。
「王子よ、飛ぶことができないのは、物理的な理由だけではありません。
心が不安や恐れで満ちている限り、飛ぶことはできません。
飛ぶためには、心の中に自由を感じ、恐れを乗り越える勇気が必要です。
」
王子はその言葉を聞き、静かに考えました。
心の中で不安や恐れを取り除き、もう一度挑戦することを決めました。
今度は、恐れを感じることなく心を落ち着けて、再びジャンプしました。
そして、信じられないことに、王子は空を飛ぶことができたのです。
猿は微笑んで言いました。
「王子よ、見事だ。
あなたの心が自由になったとき、あなたは空を飛ぶことができたのです。
」
王子は猿に感謝の気持ちを伝えました。
「あなたのおかげで、私は自分を乗り越えることができました。
ありがとうございました。
」
その後、王子は猿と一緒に飛びながら、自由と勇気の大切さを学びました。
そして、王子は王国に帰ると、もっと優しく、勇敢に人びとを助けることができるようになりました。
おしまい。
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