「王子とハトの友情物語」(The Tale of Friendship Between the Prince and the Pigeon)-スリランカ
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昔々、とおい国の王宮に、やさしい心を持つ王子がいました。王子の名前はピンギヤ。まだ小さかったけれど、だれにでもやさしく、弱いものをとても大切にしていました。
ある日、庭で遊んでいた王子のもとに、一羽のハトが飛んできました。羽はうすいグレーで、目がとてもかしこそうでした。ハトは王子の肩にちょこんととまり、首をかしげました。
「こんにちは、小さな王子さま。わたしは道にまよってここに来たのです。」
王子はうれしそうに笑って言いました。
「よかったら、ここにいてもいいよ。いっしょにごはんを食べよう。」
それからハトは王宮に住むことになり、王子と毎日いっしょに過ごしました。王子が本を読むと、ハトはそばで聞いていました。王子が笛をふくと、ハトは空でくるくると舞いました。ふたりは、ほんとうの友だちのように、心を通わせていったのです。
ところがある日、王宮に遠くの国からお客さまがやってきました。その中に一人、狩りが好きな大臣がいて、こう言いました。
「この王宮には、見たこともないほど賢そうなハトがいると聞きました。わしのごちそうに出してはくれまいか?」
王様はこまってしまいました。でも、礼儀を守らねばなりません。
その夜、王子は大人たちの話を聞いてしまいました。ハトが明日つかまってしまうと知ったのです。
王子は泣きながらハトに言いました。
「逃げて。山へ、空へ、どこへでも。きみの命が大切だ。」
でもハトは、そっと王子の手にくちばしをあてて言いました。
「わたしはどこへでも飛べる。でも、あなたのもとにいることをえらびたい。」
次の朝、王子は大人たちの前に立ちました。そしてこう言いました。
「このハトは、わたしの友だちです。友だちを失うくらいなら、王子でなくてもいい。」
その言葉に、王様も大臣も心をうたれました。
「おまえのやさしさは、何より尊い宝だ。ハトはこの宮の守り神としよう。」
その日からハトは自由に空を舞いながら、王宮に平和をもたらしました。そして王子とハトの友情の物語は、長く語りつがれていったのです。
—
このハトこそが、実は過去世のお釈迦さまでした。
そして王子もまた、心清らかな魂として、生まれ変わりの旅を歩んでいったのです。
おしまい。
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