「金の魚と貧しい男」(The Golden Fish and the Poor Man)-タジキスタン
昔々、タジキスタンの小さな村に、貧しい漁師が住んでいました。
彼の名前はアフマド。
毎日、少しの食料を得るために、古びた小舟で湖へ出て、魚を捕っていました。
しかし、長い間、豊かな漁はありませんでした。
アフマドは家族を養うのに苦労していましたが、それでも毎日一生懸命に働いていました。
ある日のこと、アフマドはいつものように湖で釣りをしていると、突然、糸が大きく引っ張られました。
びっくりして釣り竿を引き上げると、そこには美しい金色に輝く魚がかかっていました。
アフマドはその魚を見て、驚きました。
「助けてください!
私は金の魚です。
もし私を放してくれるなら、あなたの願いを一つだけかなえてあげます。
」金の魚は、アフマドに話しかけました。
アフマドはその魚が普通の魚ではないことを理解しました。
しばらく考えた後、アフマドは優しく言いました。
「本当に願いをかなえてくれるのか?
それなら、私は何もいらない。
ただ、無事に生きていけるような生活ができるようになりたいだけだ。
」
金の魚はにっこりと微笑んで答えました。
「わかりました。
あなたの願いをかなえてあげましょう。
」そして、魚はアフマドを見つめると、急に湖の中へと泳いでいきました。
その日の夕方、アフマドが家に帰ると、なんと家の前には新しい家が建っているではありませんか。
屋根はしっかりとしていて、壁は美しい木で作られていました。
中には温かい食事も用意されており、アフマドの家族は驚きました。
「どうしてこんなことが…?
」アフマドは不思議に思いましたが、すぐに金の魚のことを思い出しました。
彼は感謝の気持ちを抱きながら、家族とともにその日を幸せに過ごしました。
次の日から、アフマドの生活は大きく変わり、漁が順調にいくようになりました。
魚を捕るたびに、金貨や宝石が手に入るようになり、彼の貧困は一変しました。
アフマドは贅沢に暮らし始めましたが、次第に欲が出てきました。
ある日、アフマドは心の中でこう考えました。
「金の魚が私にすべてをくれたんだから、もっと大きなものをお願いしても良いのではないか?
」
そう思ったアフマドは、再び湖へ行き、金の魚を呼びました。
「金の魚よ、もう一度頼む。
今度はもっと大きな家を、もっと多くの財産をお願いしたい。
」
すると、金の魚が現れ、答えました。
「あなたの願いはかなえましたが、欲をかいてはいけません。
思い上がってしまうと、すべてを失ってしまいますよ。
」
アフマドは金の魚の言葉を聞いて、しばらく黙っていました。
「わかりました。
欲をかかず、今の幸せを大切にします。
」
そして、アフマドはその後も金の魚の教えを忘れず、謙虚に暮らしました。
贅沢な暮らしをすることなく、家族と共に平穏無事に過ごすことができました。
それから、村の人びとはアフマドのように謙虚で感謝の気持ちを忘れない人びとを尊敬し、アフマドもまた、金の魚からの贈り物と教訓を大切に生きていきました。
おしまい。
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