「鉄のハンス」(Iron John) - ドイツ
昔々、ある国に王様と王子がいました。
王の城の近くには、大きな暗い森が広がっていました。
そこに入った人は、だれも戻ってこないのです。
王は兵士を送りましたが、やはり戻りません。
そこで勇敢な猟師が森に入り、大きな湖を見つけました。
湖のそばには、毛むくじゃらの大男が立っていました。
彼の名前は鉄のハンス。
彼こそが森の恐ろしい主でした。
猟師は王に報告し、兵士たちとともに鉄のハンスを捕まえました。
彼を城の牢屋に閉じ込めましたが、ある日、王子が遊んでいるうちに牢の鍵を開けてしまいました。
鉄のハンスは自由になると王子に言いました。
「おまえも一緒に来るか?」
王子は少し考えましたが、「はい!」と答えました。
こうして王子は鉄のハンスと森へ行きました。
鉄のハンスは王子に仕事を与えました。
池の水をきれいに保つことです。
「もし水を汚したら、おまえにとってよくないことが起こるぞ。
」
王子は最初は気をつけていましたが、ある日、指を水に入れてしまいました。
すると指が金色に輝きました。
鉄のハンスは気づきましたが、王子を許しました。
次の日、王子は手を水につけてしまいました。
手が金色になりました。
そして三日目、王子は池の中に足を入れてしまいました。
足全体が金色に輝きました。
「おまえは私の言いつけを守れなかった。
ここにはもういられない。
」
鉄のハンスは王子を森から送り出しました。
しかし、別れ際にこう言いました。
「困ったときは、私の名前を呼びなさい。
助けてやる。
」
王子は旅を続け、大きな国の城へたどり着きました。
お腹が空いていたので王様にお願いし、庭師の手伝いとして働くことになりました。
しかし、金色の髪を隠すため、ぼろぼろの帽子をかぶらなければなりませんでした。
ある日、お城で戦争が起こりました。
王子は鉄のハンスの名前を呼びました。
すると鉄のハンスが現れ、立派な馬と鎧を王子に与えました。
王子は勇敢に戦い、敵を打ち負かしました。
王はその戦士にお礼を言いたがりましたが、王子は姿を消しました。
王子は何度も戦い、毎回鉄のハンスの助けを借りて勝利しました。
ついに、王様はお城で大きな宴を開きました。
王子も参加しましたが、帽子を取らなければなりませんでした。
帽子を脱ぐと、美しい金色の髪が輝きました。
王は驚きました。
「おまえこそ、わが国を救った勇者だったのか!」
王子は正体を明かし、王様の娘である王女と結婚することになりました。
そこへ、鉄のハンスがやって来ました。
「おまえは試練を乗り越えた。
私は魔法で野獣の姿にされていたが、おまえの勇気が私を解放してくれたのだ。
」
こうして、鉄のハンスは本当の王として自分の国へ戻り、王子と王女も幸せに暮らしました。
そして、彼らは長く幸せな人生を送ったのです。
おしまい
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