「青いジャッカル」(The Blue Jackal)-アルジェリア
昔々、アルジェリアの広い森に、一匹のジャッカルが住んでいました。
ジャッカルはずる賢く、いつも他の動物をだまして食べ物を手に入れていました。
でも、ある日、そんなジャッカルに大きな危険がせまってきました。
ある朝、ジャッカルはお腹をすかせて森を歩いていました。
すると、ライオンやヒョウ、オオカミたちが集まって何かを話しています。
ジャッカルはこっそり近づいて耳をすませました。
「この森には、食べ物を盗む悪いジャッカルがいるそうだ。
見つけたら、すぐにやっつけるぞ!
」
それを聞いたジャッカルは青くなりました。
自分が見つかったら、みんなに食べられてしまう!
あわてて逃げ出しましたが、足をすべらせて村の染め物工場の大きな壺の中に落ちてしまいました。
しばらくして、ジャッカルは何とか壺の中から抜け出しました。
でも、自分の体を見てびっくり!
全身が青く染まっていたのです。
「なんてことだ!
」とジャッカルは思いましたが、すぐに良い考えが浮かびました。
翌日、ジャッカルは森に戻り、ライオンやヒョウたちの前に堂々と現れました。
そして、大きな声で言いました。
「私は神様に選ばれた特別な動物、青い王だ!
神様が私をこの森の王にするようにと、お告げをくださったのだ!
」
森の動物たちはびっくりしました。
青い動物なんて見たことがありません。
しかも、ジャッカルの声は自信に満ちあふれています。
「神様の使いかもしれない…」と、みんなはすっかり信じてしまいました。
こうして、ジャッカルは森の王になりました。
ライオンもヒョウも、ジャッカルを恐れて従いました。
ジャッカルは毎日おいしい食べ物を運ばせ、楽な暮らしを送りました。
でも、そんな日々は長くは続きませんでした。
ある夜、ジャッカルが王様気分でくつろいでいると、遠くの方から仲間のジャッカルの鳴き声が聞こえてきました。
「アオーン!
アオーン!
」
それを聞いたジャッカルの心に、昔の記憶がよみがえりました。
「ああ、あの懐かしい声!
私も一緒に歌いたい!
」
ジャッカルはすっかり油断して、思わず「アオーン!
」と大声で鳴いてしまいました。
その瞬間、ライオンやヒョウたちはハッとしました。
「こいつはただのジャッカルだ!
」
みんなは怒って、ジャッカルに飛びかかりました。
ジャッカルはあわてて逃げましたが、途中で池に落ち、青い色が全部流れてしまいました。
すっかり元の姿に戻ったジャッカルは、森の奥へと逃げていきました。
それからというもの、もう二度と森の動物たちをだまそうとはしませんでした。
おしまい。
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