「願いをかなえるチェスト」(The wish come true)- イタリア
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昔々、イタリアの静かな村に、ジュリアという心優しい少女が住んでいました。
ジュリアは、貧しい家に生まれ育ち、毎日一生懸命に働いていましたが、それでも何も持っていないと感じていました。
彼女には一つだけ、深く願っていることがありました。
それは、家族とともに豊かに暮らせる日々を送ること。
ある日、ジュリアが森の中を歩いていると、突然、古びたチェストが道の脇に置かれているのを見つけました。
チェストは美しい彫刻が施されており、まるで昔からそこにあったかのように静かに佇んでいました。
ジュリアは興味津々で近づき、チェストの蓋を開けました。
すると、中には一枚の紙と一つの小さな石が入っていました。
紙にはこう書かれていました。
「このチェストは、あなたの最も深い願いをかなえる力を持っている。
ただし、心からの願いだけが叶うのだ。
」
ジュリアは驚きましたが、すぐにその小さな石を手に取り、心の中で家族と豊かに暮らせる日々を願いました。
すると、石が淡い光を放ち、まるで何かが動き出したかのような気配が感じられました。
次の日、ジュリアが家に帰ると、奇跡が起こりました。
家の前に大きな袋が積まれており、その中には新鮮な野菜や果物、さらには金貨まで入っていました。
ジュリアはびっくりして袋を開け、家族にそのことを伝えました。
家族は歓声を上げ、何度も感謝の言葉を言いました。
しかし、ジュリアはその後も一つだけ心にひっかかることがありました。
家族が豊かになり、みんなが幸せそうに暮らしている中で、ジュリア自身がまだ満たされていないような気がしたのです。
彼女はもう一度、チェストのことを思い出し、その小さな石を取り出して願いました。
「私自身も、心から幸せだと感じられるようになりたい。
」
すると、石が再び輝き始めました。
ジュリアが目を開けた時、彼女の前には、今まで見たことのない美しい風景が広がっていました。
村の人々は皆、ジュリアのことを一層大切に思うようになり、彼女自身も自分の価値に気づくことができました。
ジュリアは、自分が持っているもの、家族、そして愛されることの喜びに心から感謝するようになりました。
それからジュリアは、他の人々が困っているときには助けを惜しまず、自分の願いがどれほど大切かを学びました。
そして、村の人々に幸せを分け与えながら、自分の心も豊かに育んでいったのです。
ジュリアの心は、最初に願った「家族とともに豊かに暮らす」という願いから、さらに広がり、「心の豊かさ」を感じることができるようになったのでした。
そして、チェストはもう二度とジュリアの前に現れることはありませんでしたが、ジュリアはその小さな石とともに、何度も願いが叶ったことを思い出し、幸せな日々を送ることができました。
おしまい。
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