「魔女のかけた呪い」(The witch's resolve)- スウェーデン
昔々、スウェーデンの深い森の中に、一人の魔女が住んでいました。
その名はエリス。
エリスはとても強い魔力を持っていましたが、その魔力にはある呪いがかかっていたのです。
彼女がまだ若い頃、人びとを助けることができる魔女になりたいと心から願っていました。
けれど、ある日、村の人びとに裏切られたことから、彼女の心は闇に染まりました。
その村には、エリスを試そうとしたある王子が住んでいました。
王子は彼女の魔法の力を見せてもらいたくて、エリスに無理な要求をしました。
「魔法で私に不死の力を与えてくれ」と、王子は言いました。
エリスはその要求に困惑し、答えに困りました。
彼女は不死の魔法が持つ危険を知っていたからです。
しかし、王子の無礼な言葉に心を痛めたエリスは、魔法を使って王子に呪いをかけることを決めました。
彼女は王子に「お前が不死を望むなら、永遠に死ねない者となり、永遠にこの世界に縛られることだろう」と呪いました。
その瞬間、王子は永遠の命を持つようになり、彼の肉体は決して老いることなく、死ぬこともなくなりました。
しかし、それと同時に、王子は自分の心の中に深い孤独を感じるようになり、誰も彼に近づくことができなくなったのです。
王子は村を離れ、森の中で一人孤独に過ごし続けました。
エリスは王子にかけた呪いがどれほど深刻であったかを次第に理解し、その後悔の念が心に重くのしかかりました。
彼女はその呪いを解く方法を探し続けましたが、どんなに魔法を使っても、王子の呪いを解くことはできませんでした。
それから数年が経ち、エリスはついに心を決めました。
「もし私が王子に永遠の命を与えたのなら、今度はその呪いを解くために全力を尽くさなければならない。
」そう思った彼女は、王子の呪いを解くために再び森へと足を運びました。
王子がいる場所へ辿り着いたとき、エリスは王子に向かって言いました。
「私はあなたにかけた呪いを解こうと思う。
ただし、それには一つの条件がある。
」王子はその言葉を聞いて、驚きながらも答えました。
「条件があるなら、受け入れよう。
」エリスは静かに続けました。
「あなたが過去にしたこと、そして今後どう生きるべきかを真剣に考え、反省し、心から人びとを助ける覚悟があるなら、私は呪いを解いてあげましょう。
」
王子はその言葉を深く受け止め、長い間悩んだ末に答えました。
「私は今まで、力を持つことにばかり目を向けてきた。
これからは心を改め、他者のために生きていこう。
」そう言った王子の目には、真剣な決意が宿っていました。
エリスはその言葉を信じ、呪いを解くために魔法を使い始めました。
魔法の力が王子に注がれ、次第に王子の周囲に光があふれ、呪いが解けていきました。
王子は初めて、本当の意味で自由になったのです。
そして王子はエリスに感謝し、「もう二度と、欲深い心にとらわれることはないだろう」と誓いました。
エリスもまた、王子が心から反省し、成長したことを嬉しく思いました。
それからというもの、王子は村へ戻り、村人たちと共に助け合い、心優しいリーダーとして過ごしました。
そしてエリスも、魔女として人びとのために力を使うことを誓い、村と王国の周りを守り続けました。
おしまい。
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