「魔法のベッド」(The magic bed)- ポーランド
昔々、ポーランドの小さな村に、マティアという優しい少年が住んでいました。
彼の家は貧しく、毎日畑で働くのが唯一の仕事でした。
マティアは、毎晩一日の疲れを感じながら、古びた小屋で眠りにつくのが日課でした。
そんなある日、村に不思議な出来事が起こりました。
ある夜、村に一人の老人が現れました。
その老人はどこか神秘的な雰囲気を持っていて、村人たちは彼のことを誰も知りませんでした。
老人は村の広場に立ち、声をかけました。
「誰か、私に助けを貸してくれませんか?
一晩の宿を借りるだけで、恩返しをいたします。
」
村の人びとは、しばらく迷った後、一人の村人が老人を自分の家に招くことにしました。
マティアもその様子を見ていたのですが、心の中で何かがひらめいたように感じました。
次の日、マティアはその老人が自分に与える「恩返し」がどんなものか気になり、思い切って尋ねました。
「おじいさん、恩返しとは一体何ですか?
」
老人はにっこりと微笑み、「君が真心で助けてくれるなら、素晴らしい贈り物をしよう。
」と答えました。
そして、彼はマティアに向かって手をかざしました。
すると、そこに魔法のような光が現れました。
次の瞬間、目の前に美しく、金色に輝くベッドが現れたのです。
「このベッドは普通のベッドではない。
毎晩、君が眠る時に、心の中で一番望んでいることが叶うだろう。
」老人はそう言って、マティアにそのベッドを与えました。
マティアは驚きながらも、そのベッドを家に持ち帰り、使ってみることにしました。
夜になり、ベッドに横たわったマティアは、心の中で「どんな願いをかなえてもらおうか」と考えました。
ふと、彼は村の皆がもっと幸せになるように願うことにしました。
すると、ベッドの上でまるで夢のような光景が広がり、翌朝、村の家々には温かい食事が運ばれ、畑にはたくさんの作物が実っていたのです。
次の夜、マティアは再びベッドに横たわり、今度は世界中の貧しい人びとが幸せでありますようにと願いました。
すると、その日の朝、村に新しい家や道具が届き、村人たちは驚き、喜びました。
しかし、マティアは次第に、ベッドが持つ力を使うことに心を痛めるようになりました。
最初は自分や村のために使っていた魔法も、次第に他人のため、そして世界中のために使うようになったからです。
彼はその力がもたらす影響の大きさを理解し、悩むようになりました。
ある日、ベッドが彼にこう言いました。
「マティア、君はもう気づいているだろうが、私の力は無限ではない。
願いを叶え続けると、やがてその力が枯渇し、すべてのものが失われるだろう。
」マティアはその言葉に驚き、心から反省しました。
その後、マティアはベッドの力を最小限に使うことを決め、他の村人たちと協力して、自分たちの力で幸せを作り出す方法を探し始めました。
そして、彼は魔法のベッドを使うことなく、村の人びとと共に繁栄をもたらしました。
数年後、マティアは大人になり、村はさらに栄えていました。
彼は最初に出会った老人に再び会い、その時の恩返しを伝えました。
老人は微笑みながら、「お前はもう一人前だ。
」と答え、魔法のベッドを使わずに自分の力で幸せを掴んだマティアに、深い満足感を感じていたのです。
そして、マティアはその後も村のために力を尽くし、周りの人びととともに幸せな日々を送ったのでした。
おしまい。
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