「魔法の果樹」 (Det Magiska Trädet) - スウェーデン
昔々、スウェーデンの小さな村に、エリックという少年が住んでいました。
エリックは元気で冒険好きな少年で、毎日森や山を探検しては新しい発見を楽しんでいました。
しかし、エリックの村には長い間不作の年が続き、村人たちは困っていました。
食べ物は少なく、みんなはどうにかして豊かな作物を育てる方法を探していました。
ある日、エリックは村の外れにある大きな森の中を歩いていると、ふと不思議な光が見えました。
それは、まるで星のように輝く果実が生っている木でした。
その木は今まで見たこともないほど美しいもので、枝には色とりどりの果実が実をつけていました。
エリックはその木に近づいていきましたが、木の前に立つと、木から優しい声が聞こえました。
「こんにちは、エリック。
私は魔法の果樹だ。
この木の果実を食べれば、君の村に幸せと豊かさをもたらすことができる。
しかし、その果実を一つだけ食べることができる。
もし、それを欲しいのであれば、心からの願いを込めて選びなさい。
」
エリックは驚きながらも、その声に従いました。
「本当に、私たちの村が救われるのですか?
」
「はい。
この木の果実は特別な力を持っている。
だが、君が選ぶ果実が、君と村のために最も大切なものを教えてくれるだろう。
」
エリックは木の枝を見上げ、どの果実を選べば良いのか迷いました。
赤く輝くリンゴ、黄色く輝くオレンジ、青く美しいぶどう。
それぞれが魅力的で、どれも素晴らしいと思いましたが、エリックはしばらく考えた後、一番大きな金色の果実を手に取りました。
「この果実を選びます。
村のために、豊かさと幸せが欲しいです。
」
果実を手に取ると、木の声がまた響きました。
「君の選び方は正しい。
だが、この果実を食べる前に、もう一つ覚えておくことがある。
それは、この果実は一度食べた者だけが、その力を理解できるということ。
君が村のために正しく使うことができるかどうかは、君の心にかかっている。
」
エリックは深く頷きました。
「私は村のために、心を込めて使います。
」
果実を食べると、エリックは体の中に温かい力が満ちていくのを感じました。
次の瞬間、彼は再び森の中に立っていることに気付きました。
しかし、すぐに変化を感じました。
彼が歩き始めると、村が見えてきました。
エリックが村に近づくと、畑が一気に緑に変わり、農作物が豊かに実り始めました。
村の人びとは不思議そうに見ていましたが、やがてその変化に気付き、驚きと喜びの声が上がりました。
村は豊かになり、人びとは笑顔を取り戻しました。
エリックはその後も魔法の果樹のことを忘れず、村のために心を尽くしました。
そして、村は繁栄し、人びとはエリックの勇気と優しさに感謝しました。
時が経ち、エリックは成長し、村の長老となりました。
そして、魔法の果樹が教えてくれたのは、どんな力も心の中にある真心と優しさから生まれるということだと伝えました。
村人たちは、力を使う際には常にその心を忘れないようにしました。
それからというもの、村は一度も不作になることなく、ずっと豊かで幸せに満ちていました。
エリックの名前は、ずっと村で語り継がれることとなりました。
おしまい。
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