「魔法の棚」(Magic Shelf)- アフリカ
昔々、アフリカの広大な草原に、サラという若い女の子が住んでいました。
サラの家は小さく、貧しいけれど、彼女はいつも明るく、周りの人びとに優しさを分けていました。
サラには不思議なものを探し出す才能があり、どんなに小さな物でも、彼女の目には特別な価値があるように見えました。
ある日、サラは村の外れにある古びた家に行きました。
そこには、年老いた女性が住んでいて、誰もその家に近づこうとはしませんでした。
なぜなら、その家には不思議な噂があったからです。
村人たちは「魔法の棚」がその家に隠されていると話していたのです。
その棚には、世界中のものを手に入れる力があると言われていました。
サラは好奇心に駆られ、その家に足を踏み入れました。
家の中は薄暗く、埃が舞っていましたが、奥の部屋からはかすかな光が漏れていました。
そこに入ると、棚が一つありました。
棚は普通の棚のように見えましたが、なんだか他の棚とは違う、魔力を感じるものがありました。
「ようこそ、サラ。
」声が響きました。
振り返ると、そこには年老いた女性が立っていました。
「あなたが、魔法の棚を見つけたのですね。
」女性はにっこりと微笑みました。
サラは驚きました。
「これは本当に魔法の棚なのですか?
」
「そうよ。
この棚には、欲しいものが何でも現れるの。
」女性は静かに説明しました。
「でも、この棚の力は、心の中で何を最も大切にしているかを知らないと使えないわ。
」
サラは少し考えました。
彼女は、いつも他の人を助けることが大好きでした。
でも、何が一番大切か、はっきりとはわからないと思いました。
「どうしたら、この棚を使えるのでしょう?
」サラは尋ねました。
女性はゆっくりと棚に手を伸ばし、棚の扉を開けました。
中には、たくさんの小物や宝石が輝いていましたが、サラはそれらに手を出すことなく、棚をじっと見つめました。
「この棚が持っている力は、あなたの心の中にある優しさを試すものです。
あなたが心から望んでいるものを一番大切に思うと、そのものが現れるのよ。
」
サラは深呼吸をし、目を閉じて心の中を見つめました。
そして、心の中でこう思いました。
「私は人びとが幸せで、助け合える世界を作りたい。
それが一番大切なことだ。
」
その瞬間、棚の中から金色に輝く光が溢れ出し、サラの目の前に大きな箱が現れました。
箱を開けると、中にはたくさんの種が入っていました。
驚くべきことに、それらの種をまけば、どんな場所でもすぐに美しい花や木が育ち、村じゅうが豊かで幸せな場所になると言われていました。
「これが、あなたの心の中で最も大切にしているものを現す力よ。
」女性は優しく言いました。
「これらの種で、世界をもっと美しく、豊かにしていきなさい。
」
サラはその後、家に戻り、村の人びとに種を分け与えました。
そして、彼女が種をまくたびに、村の中で花や木がどんどん育ち、村はますます豊かになり、人びとは助け合い、幸せに暮らすようになりました。
サラは魔法の棚から得た教訓を心に刻みました。
それは、「本当に大切なものは、物ではなく、心の中にある」ということでした。
彼女の優しさと助け合いの心が、村全体を照らす光となり、彼女自身も心から幸せを感じることができました。
そして、サラはその後もずっと、人びとを助け、夢をかなえていきました。
おしまい。
シェア