「麦の穂」(The Ear of Wheat)-ウクライナ
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昔々、ウクライナの広い大地に、マリーナという優しい農夫の娘がいました。
彼女は毎日畑で働き、家族と一緒に収穫をして過ごしていました。
畑は彼女の大切な場所で、日々、地面を耕し、麦を育てていました。
マリーナはその麦の穂が大好きで、毎年収穫の時期になると、麦の穂を一束手に取って、その美しさに見とれていました。
ある日、マリーナが畑を歩いていると、一粒の麦の穂が風に吹かれて彼女の足元に転がってきました。
その穂は、他のものとは違って、輝くように金色に光っていました。
マリーナはそれを拾い上げ、じっと見つめました。
その瞬間、穂が小さな声で言いました。
「私を大切にしてくれるか?」
驚いたマリーナはしばらくその穂を見つめ、やがて答えました。
「もちろん、大切にします。
あなたが私に言ってくれるなら、どんなことでもするわ。
」
穂は穏やかな声で続けました。
「ありがとう。
私は特別な力を持っているの。
あなたが私を大切にしてくれたら、必ず幸せをもたらすわ。
」
その後、マリーナは穂を家に持ち帰り、畑で育てた麦と一緒に保管しました。
どんなに忙しくても、その金色の穂だけは特別な場所に置き、毎日手入れをしました。
時が経ち、マリーナの家はますます豊かになり、家族は以前よりも幸せに暮らすようになりました。
収穫の年ごとに麦の穂は実を結び、その実りは家族を養い、村の人々にも分け与えられるほどになりました。
マリーナは毎年、金色の穂を大切にしていましたが、ある年、村に大きな干ばつが訪れ、麦の作物がすっかり枯れてしまいました。
その時、マリーナは再び金色の穂を手に取って、心の中で祈りました。
「どうか、もう一度だけ助けてください。
」
すると、穂が静かに光り、マリーナの前に現れました。
「もう心配しなくていい。
私はあなたを見守っているから。
」
その瞬間、大地がうなり、雨が降り始め、枯れた麦畑に新しい生命が芽生えました。
村の人々は驚き、マリーナの家が再び豊かな収穫を得ることができたのです。
それからというもの、マリーナは金色の穂を更に大切にし、畑を愛し続けました。
そしてその穂は、彼女にとって単なる麦の穂ではなく、希望と愛の象徴となったのでした。
マリーナと彼女の家族は、何世代にもわたって、その土地で幸せに暮らしました。
そして、マリーナの話は、今でもウクライナの村々で語り継がれています。
おしまい。
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