「黄金の王国」(Golden Kingdom)-フランス
昔々、フランスの遠い国に「黄金の王国」と呼ばれる美しい王国がありました。
この王国はその名の通り、金色に輝く美しい建物と広大な庭園、そして素晴らしい豊かさで知られていました。
しかし、この王国の豊かさは、ただ物の豊かさだけでなく、国民の心の豊かさにも支えられていました。
この王国を治めていたのは、優しく賢い王様、ルイ王でした。
ルイ王は、国民が幸せに暮らせるように、常に思いやりと公正をもって統治していました。
そして、国の財宝は王様がひとり占めするのではなく、必要なものをみんなで分かち合うことが大切だと考えていました。
ところが、ある日、王国に危機が訪れました。
隣国の悪名高い王、ヴァルモンド王が黄金の王国を狙ってやってきたのです。
ヴァルモンド王は、ただの物質的な富を求めていました。
彼は「黄金の王国を手に入れれば、もっと強く、もっと富み栄えることができる」と考えていました。
ヴァルモンド王が兵を率いて攻め込む準備をしているという噂が立つと、国民は恐れと不安に包まれました。
ルイ王は悩みました。
もし戦争が起これば、無数の命が失われるかもしれない。
それに、ヴァルモンド王が狙っているのは物の豊かさだけでなく、国民の心の豊かさであることに気づいていたのです。
ある晩、ルイ王は王宮の庭園でひとり考え込んでいました。
すると、庭の中に輝くような金色の光が現れました。
それは王国を守る聖なる「黄金の樹」でした。
黄金の樹は、この王国の守り神であり、国の平和を祈る者に答えを与えてくれると言われていました。
ルイ王は黄金の樹に近づき、静かに祈りを捧げました。
「黄金の王国を守るために、私はどうすればよいのでしょうか?
」
その時、樹の枝から一片の金色の葉が落ち、王様の前に舞い降りました。
葉には、こう書かれていました。
「黄金は、物質の豊かさではなく、心の中にある。
真の力は、他者との分かち合いにある。
」
ルイ王はその言葉を深く心に刻みました。
そして、翌日、ヴァルモンド王に使者を送りました。
「もし貴国が私たちを侵略したいのであれば、戦を挑むのではなく、私たちと共に繁栄を分かち合う方法を見つけましょう。
」と伝えたのです。
ヴァルモンド王は驚きました。
戦争を望んでいた彼にとって、この提案は予想外でした。
ヴァルモンド王は少し考えた後、答えました。
「あなたがそんなことを言うとは思わなかった。
しかし、もしかすると本当にあなたの言う通りかもしれない。
」
そこで、両国は会談を開きました。
ルイ王は、黄金の王国の富は全ての人びとと分かち合うことでこそ本当の価値が生まれるという考えを、ヴァルモンド王に伝えました。
最初は理解できなかったヴァルモンド王も、次第にその考えに共感し、ついには両国は戦争を避け、協力して繁栄する道を選びました。
それ以来、黄金の王国は他の国々とも平和に交流し、物質的な豊かさだけでなく、心の豊かさも大切にするようになりました。
ルイ王の治める王国は、永遠に続く平和と繁栄を享受しました。
そして、黄金の王国はその名の通り、物質的にも精神的にも「黄金」のように輝く場所となり、どこから来た者もその教えを学び、心を豊かにしていくことができたのでした。
おしまい。
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