「黄金の魚」(Goldfish)- ロシア
他言語版
昔々、ロシアの広大な森の中に、小さな村がありました。
村には、貧しい漁師とその妻が住んでいました。
漁師は毎日、湖に出て魚を釣り、その日その日の食べ物を得て生計を立てていました。
しかし、彼の漁はいつも上手くいかず、妻との生活はとても厳しいものでした。
ある日、漁師はいつものように湖で釣りをしていました。
釣り糸を垂らし、しばらく待っていると、突然、釣り竿が大きく引っ張られました。
漁師は驚いて竿を引き寄せると、なんと釣れたのは金色に輝く美しい魚でした。
その魚は、普通の魚とは違い、まるで金属のように光り輝いていました。
そして、驚くべきことに、その黄金の魚が口を開けてこう言いました。
「漁師さん、お願いです、私を海に返してくれませんか?
私を放す代わりに、何でも一つ願いをかなえてあげます。
」
漁師はその魚の言葉に驚きましたが、すぐに決心しました。
「お前がそんなに美しい魚であれば、命を救う価値がある。
さあ、元気で泳げ。
」そう言って、黄金の魚を水に戻してあげました。
すると、黄金の魚は喜びながら湖の深みに消えていきました。
漁師はその後、家に帰り、妻に黄金の魚との出来事を話しました。
妻は驚きながらも、「せっかくのチャンスを逃したなんて、バカなことをしたわ!
」と言いました。
妻はもっと豊かな生活を求め、漁師に言いました。
「もう一度魚を呼んで、お願いしてきなさい。
きっとまた願いをかなえてくれるわ。
」
漁師はしぶしぶ再び湖へ向かいました。
湖に着くと、漁師は黄金の魚に向かって声をかけました。
「黄金の魚よ、私はまたあなたにお願いしたいことがあります。
妻がもっと豊かな生活を望んでいるのです。
」すると、黄金の魚が水面から顔を出し、静かな声で答えました。
「もう一度、何かを望むのですね。
願いをかけてください。
」漁師はお願いしました。
「妻がもっと幸せになれるように、家を大きくして、食べ物も豊かにして欲しい。
」黄金の魚はそれを受け入れ、漁師が家に帰ると、家はまるで宮殿のように立派に変わっていました。
漁師と妻は驚き、しばらくその家を見つめていましたが、妻は満足せず、すぐにまた言いました。
「この家では物足りないわ。
もっと大きな宮殿をください。
私は王様のような生活がしたいのです。
」漁師はまた黄金の魚に会いに行くよう言われました。
漁師が再び湖に行くと、黄金の魚が水面に現れました。
「今度は何を望むのですか?
」漁師は妻の願いを伝えました。
黄金の魚は深くため息をついて言いました。
「もう一度言うが、あなたの妻の望みをかなえることはできる。
しかし、その後はどうなるか分からないことを覚えておきなさい。
」漁師はそれでも願いを伝えました。
すると、黄金の魚は言いました。
「宮殿を与え、王様のような生活をさせることはできる。
でも、それはあなたの最後の願いです。
」漁師は何度も迷いながらも、妻の言葉を信じて再び願いました。
家に帰ると、驚くべきことに、家はさらに立派な宮殿に変わり、妻は王様のように贅沢な生活を送ることになりました。
しかし、だんだん妻は満足せず、ますます欲深くなり、ついには「私は世界の女王になりたい。
黄金の魚を呼んで、私を女王にしてもらいたい。
」と言い出しました。
漁師は再び湖に向かいましたが、今回は心の中で不安が募っていました。
黄金の魚が現れると、漁師は再び妻の願いを伝えました。
黄金の魚は静かに答えました。
「これ以上は無理だ。
あなたの願いを叶えることはできません。
」
漁師は帰ると、家は元の貧しい小屋に戻っていました。
妻はその後も欲深く、次々と不満を漏らし続けましたが、もはや黄金の魚の力は戻ることはありませんでした。
それ以来、漁師と妻は再び貧しい生活を送りました。
しかし、漁師は、欲望が過ぎることがどれほど危険であるかを学びました。
そして、黄金の魚の教訓を胸に、今度は本当に大切なものを大事にしながら生きることを決心しました。
おしまい。
シェア