「おばあさんのクッキー」(Grandma's Cookies)-アメリカ・アパラチア山脈地域
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昔々、アパラチア山脈のふもとの小さな村に、エミリーという優しいおばあさんが住んでいました。
エミリーおばあさんの焼くクッキーは村で一番おいしく、村の子どもたちはいつも楽しみにしていました。
ある寒い冬の日、おばあさんは特別なクッキーを焼こうと思いました。
「今日は、みんなに喜んでもらえるように、たっぷり作ろうね。
」と、エミリーおばあさんは小さな猫のミリーに話しかけながら、小麦粉や砂糖、バターをこね始めました。
クッキーの甘い香りが家じゅうに広がるころ、玄関のドアをノックする音がしました。
おばあさんがドアを開けると、そこにはボロボロの服を着た男の人が立っていました。
「すみません、おなかがすいていて…何か食べるものを分けてもらえませんか?
」
エミリーおばあさんはにっこり笑い、「もちろんですよ。
温かいクッキーとミルクをどうぞ。
」と、焼きたてのクッキーを差し出しました。
男の人は感謝しながら、ゆっくりと食べました。
しばらくすると、またドアがノックされました。
今度は、小さな女の子が立っていました。
「おばあさん、私の弟が病気で、何日もまともに食べていないの…。
」
エミリーおばあさんは迷わず、「それは大変!
たくさん持っていきなさい。
」と、クッキーを袋いっぱいに詰めて渡しました。
おばあさんがふとテーブルを見ると、クッキーはもうわずかしか残っていませんでした。
「あら、今日はずいぶんたくさん配ったわね。
」と、ミリーの頭をなでました。
でも、まだクッキーの香りが家じゅうに漂っています。
「不思議ね、もうこんなに減ったのに…。
」そう思いながら、オーブンを開けると、なんと新しいクッキーが山のように焼きあがっていたのです!
「まあ、なんてこと!
」おばあさんは驚きました。
でも、それからというもの、おばあさんがクッキーを焼くと、どれだけ配ってもなくならないようになりました。
村の人々は「エミリーおばあさんのクッキーには魔法がかかっているのかもしれない!
」と不思議がりましたが、おばあさんは優しく笑って言いました。
「魔法なんかじゃないよ。
心をこめて作ったクッキーは、みんなを幸せにするのさ。
」
それからも、おばあさんの家にはクッキーを求めて村の人々が訪れ、誰もが温かい気持ちになりました。
おしまい。
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