「アブ・ヌワスと知恵の試練」(Abu Nuwas and the Test of Wisdom)-エジプト
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昔々、エジプトのカイロに、アブ・ヌワスという名の賢くも風変わりな詩人が住んでいました。
彼は街の人々から愛される存在で、楽しい詩を作ることが得意でしたが、同時にそのユーモアと大胆さで時々問題を引き起こすこともありました。
ある日、アブ・ヌワスは王様の宮殿に招かれることになりました。
王様は彼の才能を高く評価していましたが、ある問題が起きていたのです。
それは、王の最も大切な問題、「知恵」を持っている者が誰かということでした。
王様は宮殿の広間に集まった賢者たちを見回し、こう言いました。
「この国には多くの賢者がいるが、知恵の本当の持ち主は誰かを知りたくてたまらない。
誰が本当の知恵を持っているかを証明する試練を設けることにした。
」
アブ・ヌワスはその言葉を聞き、少し笑って言いました。
「では、私にもその試練を与えてください。
知恵がどこにあるのか、私も確かめてみたい。
」
王様は微笑んでうなずきました。
「良いだろう、アブ・ヌワス。
では、あなたに一つの問題を出そう。
」王は広間に一つの大きな金の器を持ち出しました。
そこには水が満たされており、その水面には金色の小さな石が浮かんでいました。
「この金の器の中から、金色の石を一つだけ取り出すのだ。
ただし、手を使ってはいけない。
」
宮殿の賢者たちは皆驚きました。
手を使わずに石を取るなんて、到底無理だと思ったのです。
アブ・ヌワスも少し考えた後、にっこりと笑いました。
「王様、私は試練を受けましょう。
しかし、手を使わない方法があるのです。
」彼はそう言うと、器の周りを見回しました。
そして、アブ・ヌワスは近くにある風の強い扇子を取って、ゆっくりと金の器の上にかざしました。
扇子の風が優しく器の中の水面を揺らすと、金色の石が一つ、風に押されて器の縁に近づいてきました。
アブ・ヌワスは素早くそれを取り出し、王様に見せました。
「これで試練をクリアしました。
」
王様は驚き、周りの賢者たちもその見事な解答に驚嘆しました。
「アブ・ヌワス、お前の知恵は本物だ。
手を使わず、風の力を使うなんて、見事な発想だ。
」
アブ・ヌワスはにっこりと笑いました。
「王様、知恵とは、ただの知識ではなく、状況に応じた柔軟な考え方なのです。
どんな問題でも、常識にとらわれずに考えることが大切です。
」
王様は深くうなずきました。
「お前の言う通りだ。
これからもお前の知恵を頼りにしよう。
」こうして、アブ・ヌワスはその知恵で王様からさらに多くの賞賛を受け、宮殿での地位をさらに高めました。
そして、彼の名前は宮殿を越えて、エジプト中で語り継がれることとなり、彼の知恵とユーモアは今もなお多くの人々に愛されています。
おしまい。
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