「エグレ、蛇の女王」(Eglė the Queen of Serpents)-リトアニア
昔々、リトアニアの広い森の中に、エグレという美しい若い女性が住んでいました。
エグレはとても優しく、周りの人々から愛されていました。
彼女は村の畑を手伝ったり、森で動物たちと遊んだりしながら、幸せに暮らしていました。
ある日、エグレが畑で働いていると、大きな蛇が現れました。
その蛇は他の蛇と違って、目が人間のように優しく、話すことができました。
蛇はエグレにこう言いました。
「私はこの森の王であり、あなたに試練を与えに来ました。
」
エグレは驚きましたが、蛇の言葉に耳を傾けました。
蛇は続けて言いました。
「私が求めるのは、あなたが私と結婚することです。
」エグレはその提案に戸惑いましたが、蛇は真剣な顔で言いました。
「もしあなたが拒むなら、私の怒りを買うことになるでしょう。
しかし、もし私と結婚すれば、あなたには幸せと富が訪れるでしょう。
」
エグレはしばらく考えましたが、ついに蛇の申し出を受け入れました。
蛇は喜び、エグレに言いました。
「私の国に来なさい。
」そして、蛇はエグレを自分の王国へと導きました。
そこは、地下に広がる美しい王国でした。
蛇の王国では、エグレは驚くほど素晴らしい暮らしを始めました。
金色の花が咲き誇り、空気はいつも澄んでいて、夜空にはきらきらと輝く星が瞬いていました。
エグレは蛇の王との生活に少しずつ慣れていきました。
しかし、時が経つにつれて、エグレは心の中でひとつの疑問を抱き始めました。
蛇の王はなぜ、蛇の姿のままで彼女に近づいたのだろうか?なぜ、他の人間の姿ではないのだろうか?それはただの好奇心からではなく、もっと深い意味があるように感じられました。
ある日、エグレは蛇の王に尋ねました。
「どうしてあなたはいつも蛇の姿をしているのですか?私はあなたを愛していますが、どうしてあなたは人間の姿にならないのですか?」すると蛇の王は、少し悲しげにこう答えました。
「実は、私はかつて人間の王子だったのです。
しかし、私は魔女に呪いをかけられ、この姿になってしまいました。
呪いを解くためには、あなたのような純粋な心を持つ者と結ばれる必要があったのです。
」
エグレはその話を聞き、涙を浮かべました。
彼女は蛇の王を心から愛していたからです。
ある夜、彼女はひとりで湖のほとりに座り、深い願いを込めて呪いが解けることを祈りました。
すると、奇跡が起こりました。
夜空の星が輝き、湖の水面に光が映り、蛇の王はゆっくりと人間の姿に戻りました。
彼は美しい王子となり、エグレを見つめました。
「エグレ、あなたの愛が私を救ってくれた。
私は再び人間に戻ることができました。
」
エグレは喜び、二人は手を取り合いました。
王子とエグレは幸せに暮らし、王国を治めました。
彼らの愛は永遠に続き、王国は平和で豊かな場所となりました。
そして、二人はいつまでも幸せに過ごしたのです。
おしまい。
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