「エトナ山の王」(King of Etna)- イタリア
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昔々、シチリア島の東端にそびえ立つ壮大なエトナ山には、ある特別な王が住んでいました。
その王の名は「エトナ」と呼ばれ、火山の神々と密接に結びついていると言われていました。
エトナ山の王は、神々から与えられた力を持っており、山の内部に眠る火の力を自在に操ることができました。
この王は人々にとって、恐れと敬意の対象でした。
というのも、エトナ山の火山活動は時として破壊的で、村々を飲み込んでしまうことがありました。
しかし、エトナ山の王はその力を正しく使い、火山が暴れそうになるとその怒りを鎮め、村人たちを守っていたのです。
ある日、山のふもとにある小さな村に、王の力を試したいと思う若者たちが現れました。
彼らはエトナ山の王を訪ね、神々の力を試すために「山の心臓」を見せてほしいとお願いしました。
この「山の心臓」とは、山の中にある火の源であり、王の力の源でもありました。
王はその若者たちに答えました。
「お前たちが望むなら、山の心臓を見せよう。
しかし、その力を理解するには、心の準備が必要だ。
私の力を試すことができる者は、まず真実の心を持っていなければならない。
」
若者たちは王の言葉を無視して、ただ力を求めました。
そして、王が言うことを聞かずに山を登り始めました。
王は心の中でため息をつきましたが、彼らの行動を止めることはありませんでした。
しばらくして、若者たちは山の頂上に到達しました。
そして、そこにあった巨大な洞窟の中に、輝く火の玉が浮かんでいるのを見つけました。
それこそがエトナ山の「山の心臓」でした。
若者たちは恐れを知らず、その火の玉に近づきました。
だが、彼らが手を伸ばそうとしたその瞬間、山が揺れ動き、火山が噴火の兆しを見せ始めました。
その時、エトナ山の王が現れました。
王は冷静に若者たちに言いました。
「お前たちは、力を求めるあまり、その力がどれほど恐ろしいものであるかを理解していない。
山の心臓を触れようとした時、山は目を覚まし、その怒りを表す。
」
王は手をかざし、山の心臓に触れると、噴火の兆しはすぐに収まりました。
王は続けました。
「火の力を扱うには、知恵と慎重さが必要だ。
力を持つことができても、それをどう使うかが最も大切なのだ。
」
若者たちはその言葉に深く反省しました。
そして、王に対して謝罪の言葉を述べました。
王は彼らに微笑み、「力を求めるのではなく、力を理解し、敬うことが大切だ」と教えました。
その後、若者たちは村に戻り、王から学んだ教訓を人々に伝えました。
そして、村人たちはエトナ山を再び敬うようになり、王の力を無駄に使うことはなくなったのです。
エトナ山の王はその後も山を守り続け、火山の力を使うことなく、山の中で静かに暮らしました。
王の名は長い年月を経ても、シチリアの人々に語り継がれ、山と共に平和な日々を守ったという伝説が生まれました。
おしまい。
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