「オオカミとヤギの子供たち」(The Wolf and the Goat’s Kids)-アラビア圏
オオカミとヤギの子供たちはアラビア圏の物語です。
昔々、広い草原に小さな山があり、その山のふもとにおおきな家がありました。
その家には、やぎのお母さんと、まだ小さな子どもたちが住んでいました。
やぎのお母さんは、毎日朝早くに草を食べに出かけていました。
そして、子どもたちにいつも言い聞かせていました。
「私が出かけている間、決してドアを開けてはいけません。
もし、おおかみが来たら、すぐに隠れて。
おおかみの声は私と似ているかもしれないけれど、足音が違うからすぐにわかるはずよ。
」
やぎのお母さんが家を出てからしばらくすると、山の中からおおかみがやってきました。
おおかみは、子どもたちが家の中にいるのを見つけて、ドアを叩きました。
「おおかみだ!おおかみだ!」子どもたちは、母親の言葉を思い出しましたが、おおかみの声は優しそうに聞こえました。
それでも、怖がってドアを開けることはしませんでした。
おおかみはしばらく待ち、あきらめたようにどこかへ行ってしまいました。
けれども、おおかみはすぐに戻ってきて、今度は声を変えて、もっと柔らかく、優しく言いました。
「おおかみだよ、私だよ。
」子どもたちは心配そうに耳を澄ましました。
おおかみは言いました。
「私の足音をよく聞いてごらん。
私の足音がとても静かだから、私だってわかるだろう。
」
その言葉に、子どもたちはドアを開けてしまいました。
おおかみは、すぐに家に入って、子どもたちを捕まえてしまいました。
でも、子どもたちはおおかみが去った後、家に帰ってきたお母さんに助けられました。
やぎのお母さんは言いました。
「今度こそ、おおかみを警戒しなさい。
彼はいつでもやってくるから、心を強く持って。
」子どもたちは約束しました。
それから、おおかみは二度とやって来ることはありませんでした。
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