「カラクリ職人と王様」(The Trickster and the King)- アラビア
昔々、広大な砂漠に囲まれたアラビアの王国に、優れたカラクリ職人がいました。
彼の名前はアリ。
アリは非常に巧妙な仕掛けを作ることで知られており、村人たちは彼の技術を尊敬していました。
アリは、機械や道具を使って、どんなものでも動かすことができました。
人びとはアリの作るカラクリに驚き、感嘆の声を上げていました。
ある日、その王国の王様が、アリの噂を聞きつけ、彼を宮殿に呼びました。
王様は非常に権力を持つ人物で、王国のすべてを支配していました。
しかし、王様には一つ悩みがありました。
それは、宮殿の中で最も楽しいことは、アリの作るカラクリだけだということでした。
王様はいつも退屈で、周りの人びとにも同じように感じていました。
「アリ、あなたの技術には驚嘆する。
だが、私は新しいカラクリを見たいのだ。
」と王様は言いました。
「もし私の期待を超えるものを作り出すことができれば、あなたに大きな報酬を与えよう。
しかし、失敗したら…あなたの命はどうなるか分からないぞ。
」
アリは一瞬、恐怖を感じました。
しかし、彼は自分の技術に自信を持っていました。
「王様、私は必ずあなたを驚かせてみせます。
」と、アリは答えました。
その後、アリは宮殿にこもり、数ヶ月間もかけて秘密のカラクリを作り始めました。
彼はさまざまな道具や機械を駆使し、あらゆる仕掛けを工夫しました。
そしてついに、彼は王様を驚かせるための特別なカラクリを完成させたのです。
そのカラクリは、一見普通の小さな箱に見えました。
しかし、アリがその箱に触れると、箱の中から無数の色とりどりの光が飛び出し、空中に浮かび上がる動物たちの姿が現れました。
それらの動物たちは自由に動き回り、まるで本物の動物のように見えました。
ライオン、馬、鳥、そして象まで、すべてが箱の中から現れては、また消えていきました。
王様はその美しさと精巧さに、目を見開きました。
「これは…驚くべきことだ!
」と王様は言いました。
「だが、アリ、まだ満足していない。
お前は確かに素晴らしい職人だ。
しかし、私はもっと凄いものを望む。
」
アリは少し驚きましたが、すぐに心を落ち着けて言いました。
「王様、私にはもう一つ、もっと素晴らしいカラクリがあります。
」
アリは再びカラクリを動かしました。
そして、今度は目の前に本物の王座が現れました。
その王座は金と宝石で飾られ、王様の周りに輝く光が放たれました。
そして、王様がその王座に座ると、王座は空に浮かび上がり、王様を空高く運びました。
王様はその浮かぶ王座の上で自由に飛び回り、王国のすべてを見下ろしながら喜びの声を上げました。
「これこそが、私が求めていたものだ!
」と王様は叫びました。
「アリ、お前は本当に素晴らしい職人だ。
お前に約束した報酬を、今すぐにでも与えよう。
」
アリは王様からの報酬を受け取ると、謙虚に頭を下げました。
しかし、アリにはもう一つ、心の中で計画していたことがありました。
「王様、ありがとうございます。
でも、ひとつお願いがございます。
」アリは王様に言いました。
「もしよろしければ、私にもう一つ、特別なカラクリを作らせていただけませんか?
」
「もちろんだ。
何でも作ってくれ。
」王様は答えました。
アリは王様に向かって微笑み、「では、この王国の民全員を幸せにするカラクリを作りたいと思います。
それが完成すれば、あなたの王国は永遠に繁栄し、誰もが幸せに暮らせるようになるでしょう。
」と言いました。
王様はそれを聞いて驚きました。
「そんなことが可能なのか?
」
アリは答えました。
「可能です。
私は、そのカラクリを作るために、もう一度王様から与えられたすべての宝物を使わせてください。
」
王様はその後、アリにすべての資源を与え、アリは宮殿で新しいカラクリを作り続けました。
そして、最終的に完成したそのカラクリは、まさに人びとの心を温め、王国のすべての人びとが幸せになれるような魔法のような力を持っていたのです。
アリはその後、王様からの報酬をすべて受け取り、王国の民を幸福にするためのカラクリを作り続けました。
王様はその後、何十年も幸せな統治を行い、アリの名前は王国の中で永遠に語り継がれることとなりました。
おしまい。
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