Onedollar Wanderer

「サシ・ペレレ」(Saci Pererê)-ブラジル

サシ・ペレレはブラジルの物語です。

昔々、ブラジルの深い森の中に、「サシ・ペレレ」というふしぎな少年が住んでいました。サシは、赤いとんがり帽子をかぶり、黒い肌をしていて、片足だけでぴょんぴょん飛び跳ねて歩くことができました。くるくる回る小さなつむじ風とともに現れては、あちこちでいたずらをするのが大好きなのです。

サシのいたずらは、とてもユニーク。農家の台所から卵をこっそり隠したり、洗濯物を風に乗せて飛ばしたり、牛のしっぽにリボンを結んだりします。でも、不思議なことに、誰も本当に怒ることはありません。なぜなら、サシのいたずらにはどこか愛らしさがあるからです。

ある日、小さな女の子マリアが森のそばで遊んでいました。風がふわっと吹くと、彼女の帽子が空高く舞い上がり、木の上にひっかかってしまいました。「あっ! 帽子が。」とマリアが困っていると、くるくると小さなつむじ風が現れ、ぴょんぴょんとサシ・ペレレが飛び出してきました。

「ぼくが取ってあげようか?」とサシはにやりと笑って言いました。マリアはちょっとびっくりしましたが、うなずいて「うん、お願い!」と答えました。サシは木に飛び上がり、器用に帽子を取ると、マリアに返しました。

「ありがとう、サシ!」とマリアが言うと、サシは照れたように笑い、「いたずらばかりじゃなくて、たまには役に立つこともするんだ」と言って、またつむじ風とともにどこかへ消えていきました。

それ以来、マリアはサシのファンになり、森に行くたびに「サシ、あそびにきて!」と呼ぶようになりました。そして、サシも時々顔を出しては、ちょっとだけいたずらして、でも最後にはちゃんと助けてくれるのでした。

サシ・ペレレは、いたずら好きだけれど、心は優しい森の精。今日もどこかで、つむじ風とともにいたずらをしながら、人々を笑顔にしているかもしれません。

おしまい。