「シュレミールとスプーン」(Schlemiel and the Spoon)-ユダヤ
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昔々、シュレミールという男がユダヤの村に住んでいました。
シュレミールはとても優しく、みんなに親切でしたが、どこかおっちょこちょいで、しばしば失敗してしまうことが多かったのです。
どんなに気をつけていても、物を落としたり、ぶつけたり、思いがけないことで困ってしまうことがよくありました。
ある日、シュレミールは村の広場でお昼ご飯を食べることにしました。
お皿とスプーンを持って広場のベンチに座り、スープを飲もうとしたその時、風が強く吹き、スプーンが彼の手から飛び出してしまいました。
スプーンはまっすぐ空を飛び、地面に落ちました。
「おっと、またやっちゃった!」シュレミールは言い、スプーンを拾おうとしましたが、なんとスプーンはまだ地面に触れていませんでした。
シュレミールが目を向けると、スプーンは空中でくるくる回りながら、どんどん高く上がっていったのです。
シュレミールは驚きながらも必死にスプーンを追いかけ、空に向かって手を伸ばしました。
しかし、スプーンはどんどん高くなり、ついにはシュレミールの手が届かないところまで行ってしまいました。
村人たちはシュレミールの様子を見て笑いながら、「シュレミール、君は本当に運が悪いね!」と言いました。
それでもシュレミールは諦めませんでした。
彼は歩き回り、あらゆる場所でスプーンを探しましたが、結局スプーンは見つからず、あきらめて家に帰ることにしました。
翌日、シュレミールは再び広場に行きました。
すると、なんと昨日飛んでいったはずのスプーンが、今度はどこからともなく彼の前にポトンと落ちてきたのです。
シュレミールはそれを見て驚き、「やっと見つけた!」と言ってスプーンを手に取りました。
その瞬間、村の人々が集まってきて言いました。
「シュレミール、君はまさに不運と運が交互にやってくるような男だね。
だけど、君の優しさと諦めない心が、いつかきっといいことを引き寄せるだろう。
」
シュレミールはうなずきました。
そして、その日から彼は少し慎重に物を扱うようになり、村人たちもその素直さと努力を見守りながら、シュレミールにどんどん親切にしていったのでした。
シュレミールはその後も、失敗しながらも一生懸命に生き、幸せな日々を送ったとさ。
おしまい
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