「ダイヤモンドの王冠」(Diamond crown)- ロシア
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昔々、ロシアのある国に、イワンという若者が住んでいました。
イワンは働き者で優しい心を持っていましたが、とても貧しく、小さな家で年老いた母と暮らしていました。
ある日、イワンが森で薪を集めていると、大きなワシが罠にかかっているのを見つけました。
「助けてくれ!
」ワシは苦しそうに叫びました。
イワンはかわいそうに思い、罠を外してあげました。
すると、ワシは羽を広げて言いました。
「お前の親切に感謝する。
お礼に、王の宮殿の奥深くにある『ダイヤモンドの王冠』を探しに行くといい。
それを手に入れた者は、どんな願いでも叶うのだ。
」
イワンは驚きましたが、夢のような話に心を躍らせました。
母に別れを告げると、王冠を探す旅に出かけました。
長い旅の途中、イワンは道端で泣いている年老いた男に出会いました。
「どうしたんですか?
」と尋ねると、男は「私は魔法の馬を持っているが、悪い商人に奪われてしまったのだ」と言いました。
イワンは男を助けるため、商人のもとへ行きました。
そして、持っていた最後の銀貨を渡し、魔法の馬を取り戻してあげました。
男は大変喜び、「お礼にこの馬をあげよう。
この馬に乗れば、王の宮殿までひとっ飛びだ」と言いました。
イワンは馬にまたがり、一瞬で王の宮殿の前に着きました。
しかし、宮殿には恐ろしい魔法の番人がいて、誰も近づくことができません。
そのとき、イワンは夜空を見上げて「どうか知恵を貸してください」と祈りました。
すると、助けたワシが現れ、「宮殿の地下に金の鍵がある。
その鍵を使えば、王冠の間に入れるぞ」と教えてくれました。
イワンはそっと宮殿に忍び込み、地下で金の鍵を見つけました。
鍵を使って扉を開けると、そこには眩しいほどに輝くダイヤモンドの王冠がありました。
しかし、王冠に手を伸ばした瞬間、大きな声が響きました。
「ここから先へは進ませぬ!
」
巨大な炎の精霊が現れ、イワンに襲いかかろうとしました。
イワンは逃げるどころか勇気を振り絞り、「私は王冠を正しいことに使いたいのです!
どうか試さないでください!
」と叫びました。
精霊はしばらく黙っていましたが、やがてニヤリと笑いました。
「お前の心が純粋であるなら、王冠を持っていくがいい。
ただし、欲に飲まれてはいけない。
」
イワンは王冠を抱え、魔法の馬に飛び乗ると、一瞬で村へ戻りました。
王冠を頭にのせると、不思議なことに、村の荒れた土地が緑豊かに変わり、人々の暮らしが豊かになりました。
しかし、イワンは決して王として君臨しようとはせず、王冠の力を使って村のみんなを幸せにしました。
そして、いつまでも心優しい青年として、人々に愛されました。
おしまい。
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