Onedollar Wanderer

「ダンスの精」(Dancing Fairy)-ロシア

ダンスの精はロシアの物語です。

昔々、ロシアの小さな村に、マーシャという踊りが大好きな少女が住んでいました。

マーシャはどんな音楽が聞こえても、すぐに体を動かし、まるで風のように軽やかに踊ることができました。

しかし、村の人々は「踊りなんて何の役にも立たない」と言って、マーシャの踊りを笑いました。

特に継母は厳しく、「そんなくだらないことをする暇があったら、もっと働きなさい!

」といつも叱りました。

ある日、村の広場で大きなお祭りが開かれることになりました。

村じゅうの人々が集まり、楽しい音楽が流れました。

マーシャは音楽に合わせて踊りたくてたまりませんでしたが、継母に「お前は家で仕事をしていなさい!

」と命じられました。

マーシャは仕方なく家に残り、仕事をしていました。

でも、どうしても音楽が気になり、ついにこっそりと家を抜け出しました。

そして広場に着くと、音楽に合わせて夢中で踊り始めました。

すると突然、ふしぎな光がマーシャの周りに舞い上がりました。

光の中から、美しいダンスの精が現れました。

精霊はにっこり笑い、「マーシャ、あなたの踊りはとても素晴らしいわ。

ご褒美に魔法の靴をあげましょう」と言いました。

精霊が指をひとふりすると、マーシャの足元にはきらきら輝く銀色の靴が現れました。

「この靴を履けば、あなたの踊りはもっと素晴らしくなるわよ」と精霊は言いました。

マーシャが靴を履いてみると、不思議なことが起こりました。

体がふわりと軽くなり、まるで風に乗っているかのように踊ることができるのです。

村の人々はその美しい踊りに驚き、みんなが手をたたいて喜びました。

しかし、その様子を見ていた継母は怒り、「そんなもの、ただの魔法じゃないか!

」と言いました。

そして、マーシャから魔法の靴を奪い取ると、家の奥に隠してしまいました。

マーシャは悲しくてたまりませんでした。

でも、精霊の言葉を思い出し、「魔法の靴がなくても、私は踊れるはず!

」と信じました。

次の日、村の広場でまた音楽が流れました。

マーシャは裸足のまま、心のままに踊り始めました。

すると、不思議なことに、靴がなくてもまるで羽のように軽やかに舞うことができました。

村の人々は大喜びし、「なんて美しい踊りだろう!

」と感動しました。

そして、「踊りが人の心を温かくすることができるんだ」と気づきました。

それを見た精霊はそっと微笑み、「本当の魔法は靴ではなく、あなたの心の中にあるのよ」とささやきました。

それからというもの、マーシャの踊りは村じゅうの人々を幸せにし、やがて彼女は国じゅうで有名な踊り子になりました。

マーシャはいつまでも、自分の心を信じて踊り続けました。

おしまい。