「ハッサンと魔法の馬」(Hassan and the Magic Horse)-モロッコ
他言語版
昔々、モロッコの広大な砂漠の街に、ハッサンという若者が住んでいました。
ハッサンはとても優しく、誰にでも親切に接していましたが、貧しくて日々の生活に困っていました。
ある日、ハッサンがいちばで果物を売っていると、年老いた男がやってきて、金色の糸で編まれた布を持っていました。
男はハッサンに近づき、こう言いました。
「この布を売りなさい。
きっと運が開けるだろう。
」ハッサンは布を買うお金もありませんでしたが、男は「お金はいらない。
ただ、優しさを持って生きなさい」と言いました。
その言葉に感動したハッサンは、布を受け取り、家に帰りました。
その晩、ハッサンが布を広げて寝ると、突然、布が光り輝き、目の前に魔法の馬が現れました。
馬は金色の鞍と輝くたてがみを持ち、空を飛ぶことができると告げました。
ハッサンは驚きましたが、馬は優しく言いました。
「私はあなたの願いを叶えるためにここに来たのです。
どこへでも行き、何でもできます。
あなたが必要とするものを、私に言ってください。
」
ハッサンはしばらく考えました。
彼は貧しさから脱出したいと思い、魔法の馬に言いました。
「私は大きな財産を手に入れたい、そして家族を助けたい。
」魔法の馬は優しくうなずき、空へと舞い上がりました。
しばらくして、馬は広大な財宝が眠る洞窟に着陸しました。
そこには黄金や宝石が山のように積まれていました。
ハッサンは感謝し、たくさんの宝を持ち帰り、家族に分け与えました。
その後、ハッサンは魔法の馬に何度も助けられ、街の人々にも手を差し伸べました。
しかし、ある日、街に悪い商人が現れ、ハッサンの持っている財産を狙ってきました。
商人は魔法の馬のことを聞き、馬を奪おうとしました。
ハッサンは馬に頼みました。
「お願い、私を守ってください。
」すると魔法の馬は、ハッサンと商人を乗せて一気に空へ飛び、雲の中に隠れました。
雲の中で、商人は怖がって泣き叫びましたが、ハッサンは優しく言いました。
「あなたには私のように人々を助ける心が必要です。
これからは善いことをして生きなさい。
」商人は反省し、誓いました。
「私は変わります、ハッサン。
あなたのように優しい心を持つよう努力します。
」
その後、ハッサンは魔法の馬と共に平和に暮らし、街の人々から慕われました。
魔法の馬はハッサンが必要な時にだけ現れ、ハッサンは人々に愛と助けを与え続けました。
そして、ハッサンの心の中にある優しさと誠実さが、最も大きな魔法であることをみんなが知るようになったのです。
シェア