「バンディクートと火の起源」(The Bandicoot and the Origin of Fire)-オーストラリア
昔々、オーストラリアの大地には、まだ誰も火を知らない時代がありました。
夜は真っ暗で寒く、食べ物は生のまま食べるしかありませんでした。
そんなある日、小さなバンディクートが森の中を歩いていると、大きなカラスが何かをつついているのを見つけました。
カラスのそばにあったのは、赤く燃える火のかけら。
バンディクートは驚きました。
「なんてあたたかくて明るいんだろう!
」
カラスはその火を大切に持っていて、誰にも見せないようにしていました。
「この火はわしのものだ。
誰にも渡さないぞ!
」
バンディクートは考えました。
「火があれば、夜も怖くないし、食べ物もおいしくなるはず。
みんなのために、あの火を分けてもらえないかな?
」でも、カラスは意地悪で、火を独り占めしたままです。
そこで、バンディクートは賢く、素早い自分の力を使って、火を手に入れることを決めました。
次の日、バンディクートはカラスの前で転んだふりをして、「ああ、助けて!
」と叫びました。
カラスが油断したすきに、バンディクートは火のかけらをくわえ、全速力で駆け出しました。
「待てーっ!
」カラスは怒って追いかけてきました。
バンディクートは森を駆け抜け、丘を越え、川を飛び越えました。
でも、カラスは空を飛べるので、どんどん近づいてきます。
「どうしよう!
」
そのとき、バンディクートは考えました。
「そうだ、この火をみんなに分けよう!
」
バンディクートは口にくわえた火のかけらを、乾いた木の枝にこすりつけました。
すると、火が燃え広がり、風に乗ってあちこちの草や木に火がつきました。
すると、動物たちが火の明るさとあたたかさに気づきました。
「すごい!
これが火なのか!
」
ついにカラスが追いつきましたが、もう遅すぎました。
火は森じゅうに広がり、動物たちはその使い方を学びました。
カラスは悔しがりましたが、もう火を独り占めすることはできませんでした。
こうして、バンディクートのおかげで、火はすべての動物と人々に届けられました。
そして、それ以来、火は森や人々の生活に欠かせないものとなったのです。
おしまい。
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