「フクロウとカメ」 (Owl and Turtle)- アフリカ
昔々、アフリカの広大な草原に、賢いフクロウと、ゆっくりとしたカメが住んでいました。
フクロウは夜になると木の枝にとまり、星を眺めたり、動物たちの話を聞いたりするのが好きでした。
カメは、毎日草を食べながら、ゆっくり歩いては休み、また歩いていました。
二人はとても異なる性格でしたが、なぜかよく一緒に過ごすことがありました。
ある日、フクロウがカメに声をかけました。
「カメさん、君はいつもゆっくり歩いているけれど、どれくらい遠くまで行けるのだろう?
」
カメはのんびりと答えました。
「私は急ぐことはないんだ。
大事なのは、途中で見つけた美しい景色や、おいしい草を楽しむことさ。
」
フクロウは少し考えました。
「それは良い考えだね。
でも、君がもっと速く歩けたら、もっと多くの場所を見られるのではないか?
」
カメはにっこりと笑いました。
「フクロウさん、君は速さを重視するかもしれないけれど、私にとっては、少し遅くても幸せな瞬間を見逃さないことが大切なんだ。
」
フクロウはちょっと驚きましたが、その考えに共感しました。
だが、フクロウは好奇心が強く、カメのゆっくりとした歩き方を試してみたくなりました。
「カメさん、こうしよう。
もし君が私と一緒に速く歩けるようになったら、きっと楽しいことがあるはずだよ!
」
カメは少し考えた後、うなずきました。
「よし、それなら君と一緒にやってみよう。
ただし、速さだけではなく、楽しむことを忘れないようにね。
」
二人は広い草原に出かけ、レースをすることになりました。
フクロウは空を飛んでカメの前に立ち、言いました。
「準備はいいかい?
」
カメはのんびりと首を伸ばし、「準備はできているよ。
」と答えました。
レースが始まると、フクロウは風のように速く飛び、あっという間にカメの前を飛び越えました。
カメは自分のペースで、足を一歩一歩進めていきます。
フクロウは何度も振り返り、カメの姿を見つめました。
途中でフクロウは疲れてきました。
速く飛びすぎて、少し休む必要があったのです。
そこで、フクロウは大きな木の枝に止まり、休むことにしました。
下で、カメはゆっくり歩きながら、木の下の小さな花や虫を観察していました。
フクロウは木の上からカメを見下ろしながら思いました。
「カメはのんびりと歩いているけれど、こうして自然を楽しんでいるんだ。
速く進むことだけが全てじゃないのかもしれないな。
」
そのまま休んでいたフクロウは、うとうとしてしまいました。
その間に、カメはしっかりと前に進み続け、ついにゴールにたどり着きました。
カメは息を切らすことなく、木の下でゆっくりと立ち止まり、ゴールを見ました。
フクロウが目を覚ましたとき、驚きました。
カメがすでにゴールに着いていたからです。
「カメさん、君が先に着いたなんて信じられない!
」とフクロウは言いました。
カメは穏やかに答えました。
「速さだけが大切ではないんだ。
私は途中で休むことなく、自然の美しさを楽しみながら歩いてきた。
それが一番大事だったんだよ。
」
フクロウはその言葉に深く頷きました。
「君の言う通りだ。
速さだけを追い求めても、周りの景色を見逃してしまうんだね。
次回はもっと、君のように楽しみながら歩いてみるよ。
」
二人はその後、ゆっくりと歩きながら話し、笑い合いました。
どちらが速かったかは問題ではなく、大切なのは、共に過ごした時間と、お互いの考え方を尊重することだと気づいたのです。
おしまい。
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