Onedollar Wanderer

「ペドリーニョとナールジ」(Pedrinho e Narizinho)-ブラジル

ペドリーニョとナールジはブラジルの物語です。

昔々、ブラジルの森の近くに、小さな村がありました。そこに住んでいたのが、元気な男の子ペドリーニョと、かしこくてやさしい女の子ナールジーニョです。ふたりはいとこ同士で、毎日のようにいっしょに遊んでいました。

ある日、ナールジーニョが言いました。

「ねえペドリーニョ、川の向こうに、魔法の国があるって聞いたの。行ってみない?」

ペドリーニョは目をキラキラさせて、「うん、ぼく行きたい!」とすぐに答えました。

ふたりは、おばあちゃんにこっそり「ちょっと森で遊んでくるね」と言って、リュックにパンと水と、ナールジーニョが作った小さな人形エミリアを入れて出発しました。

森の中はひんやりしていて、小鳥のさえずりが聞こえました。ふたりが川をわたると、そこにはふしぎな光があふれる道がありました。歩いていくと、しゃべるウサギや、踊る木、そして空をとぶ魚たちに出会いました。

その中で、一番ふしぎだったのは、言葉を話す人形のエミリアでした。

「やっとしゃべれるようになったわ!ありがとう、ナールジーニョ!」と、エミリアが笑いました。

ふたりはびっくりしながらも、エミリアといっしょに魔法の国を探検します。おかしの家、空中にうかぶ本の図書館、そして時間が止まった村。どこも夢のような場所でした。

でも、ふたりは少しずつおうちが恋しくなりました。

「おばあちゃん、心配してるかもね」とナールジーニョが言うと、ペドリーニョもうなずきました。

そのとき、森の奥からやさしい風がふたりを包み、気がつくと家の近くの木の下に戻っていました。

エミリアはまだ手の中でにっこり笑っていて、まるで何もなかったかのよう。でも、ふたりは知っていました。あのふしぎな旅は、本当にあったのです。

そしてその夜、おばあちゃんに言いました。

「今日は、ちょっとすごい冒険をしてきたの。」

おばあちゃんはにっこり笑って、「それはよかったわね」とだけ言いました。

ふたりは目を合わせて、またいつか冒険に出かけよう、とそっとうなずきました。

おしまい。