「ライオンとリス」(The Lion and the Squirrel)-アルジェリア
昔々、アルジェリアの広い森に、ひとりのライオンが住んでいました。
ライオンはその森の王者として、すべての動物たちに恐れられていました。
大きな体と鋭い爪、力強い牙を持つライオンは、誰にも敵わないと思われていました。
その森には、ライオンのように強くはないけれど、小さなリスも住んでいました。
リスはその小さな体で、木の上を駆け巡り、どんぐりやナッツを集めて暮らしていました。
リスはあまり目立たない存在でしたが、心優しく、賢い動物でした。
ある日、ライオンがいつものように森を歩いていると、リスを見かけました。
リスは木の上で忙しそうに実を集めていました。
ライオンはリスに近づき、こう言いました。
「おい、リス!
お前のような小さな動物が、こんな広い森で何をしているんだ?
」
リスは少し驚きましたが、すぐに笑顔を浮かべて答えました。
「私は木の実を集めて、冬に備えているんです。
冬が来る前に、しっかりと食べ物を貯めておかなければなりません。
」
ライオンはその答えに少し驚きました。
彼は自分の力だけで生きていると思っていたから、リスのように準備をすることが大切だという考えを持っていなかったのです。
「それは大したものだな。
でも、そんなに小さな体で、大きな森を生き抜くなんて、大変だろう?
」
リスはライオンを見上げ、にっこりと笑いました。
「確かに私は小さいですが、工夫して生きています。
そして、力だけがすべてではないんです。
知恵や準備も大事なんですよ。
」
ライオンはその言葉にハッとしました。
普段、自分の力を信じていたライオンは、リスのように知恵や準備を重視することを考えたことがありませんでした。
その日の夕方、ライオンは深く考えました。
「もしも自分に何かあった時、どうするだろう?
」「もしも冬のように食べ物がなくなったらどうするだろう?
」ライオンは、その答えを出すために、少しリスに教えを乞うことに決めました。
翌日、ライオンはリスを探し、森の中で見つけました。
「リスよ、君の言う通り、準備をしておくことが大事だと思う。
どうすればいいか、教えてくれ。
」
リスは嬉しそうにライオンを見て、言いました。
「まず、どんな困難が来ても乗り越えられるように、少しずつ準備しておくことが大切です。
私たち動物はそれぞれ違った方法で生きていますが、どんな環境でも生き抜けるようにすることが大事なんですよ。
」
ライオンはその言葉をしっかりと胸に刻みました。
それからというもの、ライオンは力だけでなく、知恵や準備の大切さを学び、他の動物たちにもその教訓を伝えていきました。
そして、リスとライオンは、互いに協力し合い、森の中で平和に暮らすことができました。
ライオンはもはや他の動物たちに恐れられる存在ではなく、知恵をもってみんなを助ける、頼りにされる存在となったのです。
おしまい。
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