「三人の賢者と愚かな王」(The Three Wise Men and the Foolish King)-イラン
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昔々、イランの広い王国に、愚かな王が治めていました。
この王は、自分の知恵がすべてだと思い込んでいて、誰の忠告にも耳を貸しませんでした。
王の周りには三人の賢者がいましたが、彼らの賢い助言も王には届かず、王国の人びとは次第に困っていきました。
ある日、王は王国をより良くしようと考え、三人の賢者を呼びました。
王は言いました。
「お前たちに頼みがある。
この王国の問題を解決するために、私は三つの難しい問題を出す。
お前たちがそれに答えられたなら、私はお前たちをもっと尊敬し、大切にするだろう。
」
三人の賢者は、王の言葉に一度は黙って聞いていました。
王はさらに続けました。
「最初の問題は、この国に最も大切なものは何かということだ。
答えられる者には栄光を与えよう。
」
三人の賢者はしばらく考えましたが、賢者の一人が静かに言いました。
「王様、この国に最も大切なものは、平和です。
平和があれば、全ての人びとが幸せに暮らせます。
」
王は不満そうに顔をしかめました。
「それは分かっている。
だが、次の質問に進もう。
」
次に王は言いました。
「二番目の問題は、この国を繁栄させるために最も重要なことは何かということだ。
」
賢者たちは再び考え、今度は別の賢者が言いました。
「王様、この国を繁栄させるには、教育が最も重要です。
人びとが知識を持ち、共に学ぶことができれば、国は発展します。
」
王は再びうなずきましたが、心の中では納得していませんでした。
「お前たちの答えも悪くはないが、最後の質問だ。
もしこれを答えられなければ、お前たちに栄光を与えることはできない。
」
三人の賢者は緊張しました。
そして王は最後の質問を投げかけました。
「最後の問題は、この国で最も大切にすべきものは何かということだ。
答えを出せる者には全てを与えよう。
」
三人の賢者は、この難題に対して慎重に考えました。
しばらくして、最年長の賢者が口を開きました。
「王様、最も大切なのは、思いやりです。
もし人びとが互いに思いやりを持ち、助け合うことができれば、国は自然と繁栄し、平和が保たれるでしょう。
」
王は怒りながら答えました。
「またそのような答えか!
お前たちの考えは、私の望んでいるものではない。
私は力と富を求めているのだ!
そんな考えでは、この国は衰退するばかりだ!
」
賢者たちは王の怒りを恐れず、静かに頭を下げました。
「王様、私たちはただ真実を述べただけです。
」と最年長の賢者が言いました。
王は怒りに任せて三人の賢者を追放してしまいました。
三人は王の命令に従い、王国を離れましたが、彼らは自分たちの答えが正しかったことを確信していました。
数年後、王国は次第に衰退していきました。
王が力と富を求め続けるあまり、人びとの間には争いが絶えず、貧困や困難に直面するようになったのです。
王はその原因を理解できず、さらに苛酷な政策を取るようになりました。
一方、三人の賢者は王国を離れて新しい地で暮らし、人びとに知識と思いやりを広めていました。
その地は次第に繁栄し、人びとは平和に暮らしました。
ある日、王は自分の国が滅びつつあることに気づき、三人の賢者を探しに行きました。
賢者たちに会った王は、心から謝りながら言いました。
「私は間違っていました。
力と富を追い求めてきた結果、国は衰退してしまいました。
お前たちの教えが正しかったのだと、今ようやく分かりました。
」
賢者たちは優しく王に言いました。
「王様、私たちはあなたに恨みを持っていません。
ただ、あなたが思いやりを持つことで、この国は繁栄し、幸せになると信じているのです。
」
王は深く反省し、その後は人びとを思いやる心で治めるようになりました。
王国は再び平和と繁栄を取り戻し、王も賢者たちを尊敬するようになりました。
おしまい。
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