「不思議な椅子の王国」(Kingdom of the Mysterious Chairs)- ギリシャ
他言語版
昔々、ギリシャの美しい村に、エレナという心優しい少女が住んでいました。
エレナの家は小さく、いつも忙しく働かなければならない日々が続いていました。
けれども、エレナには一つの大きな夢がありました。
それは、誰もが幸せに暮らせる国に住むこと。
そんな国があれば、どんなに素晴らしいだろうと、エレナは思っていました。
ある日、村の外れにある古い森を歩いていると、突然、不思議な光が森の奥から射してきました。
エレナはその光に引き寄せられるように歩き、しばらく進むと、目の前に一軒の古びた家が現れました。
家の中に入ると、そこにはたくさんの椅子が並んでいました。
普通の椅子もあれば、見たこともないような形をした椅子もありました。
その家には、年老いた女性が座っていました。
彼女はエレナを見て、優しく微笑みました。
「ようこそ、エレナ。
ここは『不思議な椅子の王国』。
この椅子は、座る人の心を映し出し、願いを叶える力を持っているのです。
」
エレナは驚きましたが、興味を持ちました。
「私の心も映し出されるんですか?
それなら、私の願いも叶うのでしょうか?
」
女性は頷きました。
「椅子に座ることで、自分の心の中にある本当の願いが見えてくる。
それによって、あなたの願いは叶うかもしれません。
でも、心の奥深くにある本当の願いを知ることが一番大切なのです。
」
エレナは一番美しい椅子に座り、目を閉じました。
すると、目の前に美しい光景が広がり、彼女の心の中の夢が映し出されました。
そこには、彼女がずっと思い描いていた、平和で幸せな国が広がっていたのです。
人びとは笑顔で手を取り合い、みんなが助け合いながら暮らしていました。
その光景を見たエレナは決心しました。
「私は、この幸せな世界を現実にするために、もっと努力しなければならない。
」
すると、椅子の中から優しい声が聞こえました。
「エレナ、あなたの心は純粋で強い。
あなたが望むなら、この『不思議な椅子の王国』の力を使って、あなたの夢を実現させることができるでしょう。
」
エレナは心から願いました。
「私はこの王国の力を使って、世界中の人びとに幸せをもたらしたい!
」
その瞬間、エレナは椅子から立ち上がり、周りの椅子たちが静かに光り輝き始めました。
そして、彼女の前に美しい王冠が現れました。
それは、エレナが新たなリーダーとして人びとを導く証でした。
エレナは王冠を受け取り、王国に帰ると、人びとにその力を使って、愛と協力をもって共に生きる方法を教えました。
王国はどんどん豊かになり、人びとは幸せに暮らし始めました。
そして、エレナはいつでも自分の心の奥にある願いを思い出し、それを実現するために努力し続けました。
彼女の王国は、やがて世界中に広がり、平和と愛があふれる国となったのでした。
それから、エレナは森の中の家に戻り、もう一度あの椅子に座ることはありませんでした。
けれども、彼女の心にはいつも『不思議な椅子の王国』の教えが輝いていました。
おしまい。
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