「亀と王様」(The Tortoise and the King)-ナイジェリア
昔々、ナイジェリアの広い森の中に、大きな王国がありました。
その王国には、強くて賢い王様が住んでいました。
王様は、王国のすべての動物たちを支配し、みんなから尊敬されていました。
しかし、王様にはひとつだけ悩みがありました。
それは、自分が一番賢い存在だと思い込んでいたことでした。
ある日、王様は森の中を散歩していると、亀がゆっくりと歩いているのを見かけました。
亀は、のんびりとした歩き方で、どこへ行くのかも分からないほど静かに歩いていました。
王様はふと思いました。
「亀はどうしてこんなに遅いのだろう?
きっと、亀は頭が良くても、速く動けないのだろうな。
」
王様は亀に近づき、声をかけました。
「亀よ、私は王様だ。
お前のようにゆっくり歩くものは、賢くても役に立たない。
どうだろう、私と速さを競ってみないか?
」
亀は王様の挑戦に少し驚きましたが、にっこりと笑って答えました。
「王様、私はあなたの速さには敵いません。
でも、もしあなたが本当に競い合いたいのなら、ぜひお付き合いさせていただきます。
」
王様はその言葉を聞き、嬉しそうに言いました。
「よし、それでは明日、森の端まで競争しよう!
私が勝ったら、亀よ、私の賢さを認めるがよい!
」
次の日、王様と亀は競争を始めました。
王様はすぐに猛スピードで走り始め、亀はゆっくりとしたペースで進んでいきました。
王様はあまりにも速く走りすぎて、途中で疲れてしまいました。
途中、木陰を見つけて少し休もうと思いました。
「こんなに速く走って、疲れたな。
少しだけ休んで、亀が来るまでにまた走り出せばいいだろう。
」と王様は考え、木陰で横になりました。
しかし、亀は休まずにゆっくりと歩き続けました。
亀は疲れることなく、少しずつゴールに近づいていきました。
王様はその後、ぐっすりと寝てしまいました。
時間が経ち、ふと目を覚ますと、亀がすでにゴールに到達していたのです。
王様は驚き、急いで走り出しましたが、亀がすでに勝者となっていたことを知り、恥ずかしくなりました。
「亀よ、お前が勝ったのか。
私は速さではお前に勝てないと思っていた。
しかし、こうして勝つことができるとは…。
」
亀はにっこりと笑いながら答えました。
「王様、速さも大切ですが、あきらめずに続けることがもっと大切だと思います。
どんなに遅くても、途中で休んでしまわずに歩き続けることが、最終的には成功につながるのです。
」
王様はその言葉を深く胸に刻みました。
彼は亀の賢さを認め、これからは速さだけでなく、持続力と忍耐の大切さも学ぶことを誓いました。
それ以来、王様は亀を尊敬し、彼の知恵を借りて、より賢く公正な王として王国を治めました。
亀も王様の賢さを称賛し、二人は良い友達となりました。
そして、王国の動物たちは、この話を何度も語り継ぎました。
速さだけではなく、最後まであきらめずに歩き続けることの大切さを学びながら、みんな幸せに暮らしました。
おしまい。
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