「二匹のカラス」(The Two Crows)-ラオス
昔々、ラオスの静かな村に、二匹のカラスが住んでいました。
一匹は黒くて大きなカラス、名前をクアンと言いました。
もう一匹は、少し小柄で灰色がかった羽のカラス、名前をサイと言いました。
二匹は仲良しで、いつも一緒に飛んだり、木の枝に止まっておしゃべりしたりして過ごしていました。
ある日、二匹は森の中を飛んでいると、木の上にきらきらと光る金色の実がぶら下がっているのを見つけました。
それは、とても珍しい果物で、誰も見たことがありませんでした。
二匹はその実を取るために、木の枝を登り始めましたが、どうしても手が届きません。
そこで、クアンが言いました。
「サイ、この金色の実を取るために、私が飛び上がって取ってくるよ。
君は見ていてくれ。
」
サイは少し心配そうに見上げましたが、クアンが大きな羽を広げて勢いよく飛び上がるのを見て、応援しました。
「気をつけて、クアン!」
クアンは力いっぱい羽ばたき、金色の実に近づきましたが、飛びすぎて木の枝に足を引っかけ、うまくつかむことができませんでした。
彼は枝にぶら下がったまま、助けを呼びました。
「サイ!助けて!」
サイは急いで飛び上がり、クアンを助けようとしましたが、自分の小さな体ではどうしても届きません。
サイは少し考え、そしてこう言いました。
「クアン、もし金色の実を取るなら、二人で協力して取るのがいいと思う。
」
クアンは少し恥ずかしそうに言いました。
「でも、僕は大きくて力があるから、僕一人で取れると思ったんだ。
」
サイはにっこり笑い、「でも、大きな力があっても、時には小さな工夫が大きな力よりも強いことがあるんだよ。
僕が木の下で待っていて、クアンがもう一度挑戦する時に、君を支えられる場所を見つけるから。
」
二匹は再び協力して木に向かいました。
サイは木の下で枝をよじ登り、クアンがもう一度飛び上がるのを支えました。
クアンはサイの助けを得て、無事に金色の実を取ることができました。
二匹は喜び合い、金色の実を村に持ち帰りました。
そして、その果物を村の人々に分け、みんなでその甘い味を楽しみました。
村の人々は、二匹のカラスが協力して一つのことを成し遂げたことを誇りに思いました。
それ以来、クアンとサイは、どんな時でもお互いに協力し、支え合う大切さを村の人々に教え続けました。
そして、森の中でも、二匹はいつも一緒に仲良く暮らしました。
おしまい。
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