「天使の微笑み」(Angel's Smile)- スペイン
昔々、スペインの小さな村に、エレナという心優しい少女が住んでいました。
エレナはいつもお母さんの手伝いをし、お年寄りや困っている人を助けることが大好きでした。
ある日、村の広場で大きなお祭りが開かれることになりました。
エレナはとても楽しみにしていましたが、お母さんは「うちは貧しくて新しい服を買うことはできないのよ」と言いました。
「大丈夫、お母さん。
私はお祭りに行けるだけで幸せよ。
」エレナは微笑みながら答えました。
お祭りの前日、エレナは広場の近くを歩いていると、一人の年老いた女性が道端に座っていました。
その女性はぼろぼろの服を着て、とても疲れている様子でした。
「大丈夫ですか?
」エレナは優しく声をかけました。
「おお、優しい娘さんだね。
私は長い旅をしてきたのだが、もう歩けなくてね…」
エレナは家に急いで帰ると、パンとスープを持ってきました。
そして、女性が元気になるまでそばにいてあげました。
すると、女性は微笑みながら言いました。
「お前の優しさに感謝するよ。
お礼に、これをあげよう。
」
そう言って、女性はエレナに小さな銀の鏡を手渡しました。
「この鏡に映った人の心が、どれだけ美しいかを映し出すのだよ。
」
エレナはお礼を言って鏡を受け取りましたが、それが特別なものだとは思いませんでした。
次の日、お祭りが始まりました。
村の人々は美しい服を着て楽しそうに踊っています。
エレナはいつものシンプルな服のままでしたが、それでも笑顔で祭りを楽しんでいました。
すると、金のドレスを着たお金持ちの娘マリサが、エレナの前にやってきました。
「まあ、エレナったら、そんな服でお祭りに来たの?
」マリサは笑いました。
エレナは何も言わず、そっと銀の鏡を取り出しました。
「この鏡を見てみて。
」
マリサが鏡をのぞき込むと、そこには美しい金のドレスではなく、意地悪な顔をした自分の姿が映っていました。
驚いたマリサは、「こんなの偽物よ!
」と言って立ち去りました。
その後、村の人々が次々と鏡をのぞきました。
すると、心が優しい人は光り輝く笑顔に映り、心が冷たい人は暗い影のように映りました。
「なんて不思議な鏡なの!
」と村の人々は驚きました。
そして、エレナの姿を映したとき、鏡には光り輝く天使のような微笑みが映っていました。
それを見た村の人々は、「エレナの心は天使のように美しい!
」と感動し、エレナに新しい美しいドレスを贈りました。
マリサも自分の行いを反省し、「私も優しい心を持ちたいわ」とエレナに謝りました。
それからマリサも、困っている人を助けるようになりました。
エレナはそれを見て微笑み、「誰の心にも天使の微笑みはあるのよ」と言いました。
そして、それから村の人々は、見た目よりも心の美しさが大切だと信じるようになったのです。
おしまい。
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