Onedollar Wanderer

「天使の涙」(angel's tears)- ギリシャ

他言語版

天使の涙は ギリシャの物語です。

昔々、ギリシャの小さな村に、エレニという心の優しい少女が住んでいました。

エレニは毎日、病気の母親の世話をしながら、村の人々を助けていました。

しかし、家は貧しく、母の病はなかなか良くなりませんでした。

ある夜、エレニは母のそばで泣いていました。

「どうか、お母さんを助けてください…」その時、窓の外に美しい光が輝き、一人の天使が降りてきました。

天使は優しく微笑み、「あなたの優しさに心を打たれました。

私は天界の泉の水を持っています。

この水は『天使の涙』と呼ばれ、どんな病も癒やす力を持っています。

でも、一滴だけしか渡せません。

大切に使ってください」と言いました。

エレニは感謝しながら、その一滴の水を母親の口にそっと垂らしました。

すると、母の顔に血色が戻り、ゆっくりと目を開きました。

「エレニ…私は元気になったよ。

村人たちは奇跡を目の当たりにし、エレニをたたえました。

しかし、村にはまだ多くの病人がいました。

エレニは悩みました。

「もし、もっと天使の涙があれば、みんなを救えるのに…」

そこで彼女は、天使にもう一度会うため、夜の山へ向かいました。

星が輝く丘の上でエレニは祈りました。

「天使さま、どうかもう一度…」

すると、また光が現れ、天使が舞い降りました。

しかし、天使は悲しそうに言いました。

「エレニ、私たち天使は、涙を流すことがほとんどありません。

だから、この水はとても貴重なのです。

エレニはうつむきました。

でも、天使は優しく言いました。

「でも、あなたの心は純粋です。

だから、あなた自身が天使の涙を生み出すことができるでしょう。

エレニは驚きました。

「どういうことですか?

天使は微笑み、「本当の天使の涙は、愛と優しさから生まれるのです」と言いました。

エレニは村へ戻ると、病人の看病をし、困っている人を助け、苦しんでいる人々を励まし続けました。

すると不思議なことに、彼女の涙が大地に落ちるたび、そこから澄んだ泉が湧き出しました。

その水を飲んだ村人たちは、たちまち元気になりました。

やがて、その泉は「天使の泉」と呼ばれ、村の宝物になりました。

エレニは天使の涙をもらったのではなく、自らの愛と優しさで天使の涙を生み出したのです。

おしまい。